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069:普通

普通って何だ?



【069:普通】


iRPG!プロローグ『普通の男』より
http://blogs.yahoo.co.jp/lonlydriver07/21252895.html

俺は、ごくごく普通のサラリーマンだった。

iRPG!

暗い部屋の中で誰かが嗚咽していた。
辺りには発泡酒の空き缶が大量に転がっている。
その男は号泣していた。

-数時間前-
芦屋の高級住宅街でそのパーティは開かれていた。
100人ぐらい住めるんじゃないかと思うような広大な部屋。
巨大なプラズマテレビ。
豪華なシャンデリア。
果てはビリヤード台もあった。
とにかく、お店にしか置いてないようなものばかりがその部屋に置かれている。
窓の外には宝石のように輝く夜景…などなど、全てが夢のような世界だった。
その日、雑誌やテレビでよく取材されているミカワという名前の青年実業家の誕生パーティが開かれていた。
正直、行く気なんてさらさらなかった。
しかし、会社の先輩がミカワという人の友達らしくて誘われたと言っていたので渋々ついて来ただけだった。
実際の所、友達でもなんでもなくて、先輩はただ一回名刺交換した事があるだけで、この誕生パーティーにも無理やりもぐりこんだ形だった。
何冊も本を出しているような実業家、テレビタレントにプロのサッカー選手、アイドルにモデル。
今まで足を踏み入れた事のない華やかな光の世界。
帰り際、先輩は言った。

「芸能人とか見れてよかったな!」

よかったどころか、死ぬほど憂鬱な気分で自宅に着いた。

「ぐすっ…ううぅ…」

男は号泣を続ける。
ミカワという青年実業家の誕生パーティーから、自宅に帰って来た男は、自分の住む部屋とあのパーティ会場の差に愕然とした。
ぶつけようがない怒りとイライラがつのり、男は冷蔵庫から発泡酒を取り出して一気に3本の封を開ける。
男は号泣しながら独白する。
酒が入ったせいか、大半は意味が分からないが。

「俺も昔は結構優秀だったんだよ。 小学生の時なんか滅茶苦茶足速かったし、中学生とか高校生の時だって成績はいつもクラスの上の方でさ。 それなりに名の通った大学に入ったし、今の会社に内定した時も親や親戚は皆喜んでくれた。 でも、何か今の俺、すげー普通。 すげー普通の会社員でさ。 『普通が一番難しい』とか言うけどぜってー嘘だね。 多いから普通なんだよ。 俺みたいな奴が大量にいるから普通なんだって。 多いって事はそれだけ簡単だって事だろう? 正直、ああいう華やかな世界を見たら羨ましいって思うのが人間だろう? ああいう場所だと自分が一番みじめだし。 何だかすごく馬鹿にされているっていうか…とにかく!!」

涙を乱暴に拭う。

「変わりたい…」

男はそのまま眠りに落ちたのだった。

END.
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