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070:ムーンストーン

世界はSF(すこしふしぎ)どころが、KF(かなりふしぎ)で埋まっている。


【070:ムーンストーン】

前々からおかしいとは思っていたんだ。
背後から視線を感じるし、時々俺のボールペンが消えてるし。
会社から家に帰ってきてネクタイ外した瞬間に電話が鳴って女の声で
「お帰りなさい、疲れたでしょう?ご飯にする?お風呂にする?それとも…アタシ?」
っていう電波な電話がノリに乗って俺の携帯電話に掛かってくるし。
ストーカーってレベルじゃない、キチガイじみてるからやめろ。
今日なんか自宅のアパートのドアを開けた瞬間、俺の部屋にいたのは紛れもなくあのキチガイストーカー女だった訳で。

「お帰りなさい、疲れたでしょう?ご飯にする?お風呂にする?それとも…」

俺はふぅ…とありったけのため息を排出すると、おもむろにスマートフォンを取り出してTwitterに呟いてみる。

「ストーカーなう」

「断じて違います」

ストーカー女は鉄仮面で否定しやがった。
どの口が言うか。

「私は、ストーカーでは、ありませーん」

「日本語分かりませんのノリで言うんじゃないストーカー女。ネタは既に上がっている。後は兵庫県警に通報してフィニッシュだ」

「私はあなたを探していたのよ。宇宙規模で」

「どうしよう、こんな時どういう表情していいか分からないの。っていうかキチガイってレベルじゃねーぞ!!」

「何を言ってるの!!あなたは月の世界の住人なのよ!?」

「しるかぼけぇぇぇぇ!!」

俺はありったけの力を込めてスリッパでストーカー女の脳天をぶっ叩いた。
スッパーンという小気味良い音と俺の中の何かが崩れ去る音がした。

「女に暴力は振るわないって誓っていたのに…」

「月生まれにしては温厚な性格なのね」

「俺は地球人だ」

「嘘おっしゃい。あなたムーンストーン飲み込んだ月の住人…つまり、宇宙人なのよ!!」

アニメか漫画ならババーンと効果音がつきそうな雰囲気。
もうやだこの人。

「だいたい、あなた地球人にしては矛盾点がありすぎなのよ」

「お前に俺の何が分かるんだよ…」

「分かるわ!私もムーンストーンが体内にある月の住人だもの」

「え、何なの?まだその設定続くの?もういい加減お腹一杯なラインナップなんだけど」

「角谷真一。1986年6月25日水曜日に月で生まれる」

「何で俺の名前とか知ってんの。ストーカー通り越してもう変態だよド変態だよ。でも月で生まれたって言うのは真っ赤な嘘だからね。嘘を捏造しないで俺困っちゃうから」

「赤ん坊の頃で既に知恵の輪を解いた」

「何で俺の過去知ってんの」

「小学生の時、自転車に乗って事故に合い、宙を飛んだと周りの友達が証言したわよ」

「おいやめろ。確かに自転車に乗って事故に合って宙を飛んだことあるけど」

「中学生の時、教室のドアをひっぺがすという伝説を残す。後に彼の担任だった男は語る。柔道部に入れとけばよかった。地球人離れした圧倒的パワーを持つ彼なら、あるいは…と」

「…おい待てやめろ」

「高校生の時、好きだった女性に彼氏ができ、怒り狂った彼は決闘を申し込む。が、相手は複数の応援を呼び、真一は空手家・元ボクサー・ヤクザ・柔道家・剣道部の5人と同時に戦い、ボッコボコのフルボッコの血祭りにあげる」

「もうやめて…俺の過去を暴くのは…」

「もちろん、社会人になってからも伝説は続く。スチール缶を一瞬で握りつぶしたとか、車のドアを蹴りでへこませたとか、車のフロントガラスを素手でたたき割ったとか、熊や猪と戦ったとか、25kgの物体をぶん投げたとか」

「もうやめたげて!!」

驚いたことにこれら全て事実である。
ストーカー女は何故だか知らないが、俺の過去(それも全部黒歴史)を鮮明に調べてやがった。

「ふふん、分かった?あなたは地球人にしてはおかしい点が沢山あるのよ」

「だからと言ってそれを全部月生まれだからという理由で説明されても…」

「と・に・か・く!!時間がないの」

「俺はもう心のヒットポイントがないんだけど。ガラスのハートがブレイクしてるんだけど」

「もうすぐ木星人がこの地球に攻めてくるの!!そうなれば地球滅亡よ。地球が滅亡するのは嫌でしょ?」

「俺的にはお前が滅亡してくれる方が助かるんだけど」

どっかぁぁぁああああああああああああああん!!
唐突に巨大な隕石が落ちてきたような轟音が響く。
俺は慌ててアパートの窓から外を覗いた。

「なんじゃこりゃぁ!!」

「木星人よ!!地球侵略に来たのよ!!」

「ナンデヤネン」

「さあ、覚悟はいい?」

「お前と心中する覚悟はない」

「木星人と戦うのよ!!あなたなら大丈夫!!さあ、私と一緒に呪文を唱えて!!」

「いつの間に魔法少女モノになったんだよ…」

「ムーンストーンパワーメークアップ!!」

カッというまばゆい光と共に、一人のセーラームー…魔法少女が。

「えええ!?何これCG!?特殊メイク!?どうなってんの!?」

「さあ、あなたも早く変身して!!プリキュ…魔法少年に!!」

「わージェネレーションギャップー。少年と言うにはいささか遅すぎる年齢なんだけど、俺」

「関係ないわ!!あなたの松岡修造的な熱さがまだその胸に存在してるなら…きっと…なれる!!」

兎にも角にも、俺は。
とんでもない騒動に巻き込まれてしまったようで。
ええい、ままよ!!
もう∩(´・ω・`)つ―*'``*:.。. .。.:*・゜゚・* もうどうにでもな~れ


END(終わってしまえ).
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