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HOME>100のお題その1

075:楽譜

【アイネ・クライネ・ナハトムジーク】
モーツァルトの曲の中でも非常に有名な曲の一つ。
セレナーデ第13番とも呼ばれる(モーツァルトが書いたセレナーデの第13番に相当する)。
「小さな夜の曲」という意味。
日本語では「小夜曲」と訳される。

【075:楽譜】

この事件は時効を迎えてもう5年が経過する。
今でも俺はあの事件は鮮明に憶えている。

カタカタと部屋に響くはパソコンのキータッチ音。
新聞記者、矢住は時効を迎えてしまった事件を淡々とまとめてゆく。
当時の新聞の記事を眺めつつ、簡潔に事件をまとめる。
それは、1件の奇妙な殺人事件。

【猟奇殺人事件ファイルK525】
被害者:哀音小夜子
時刻:12月24日深夜2時頃
容疑者:被害者に身寄りがない上に、現場は密室状態だった為に該当者無し
死因:頭部切断による失血死。また、両手指10本も切断されている。
追記:部屋のドアには内側から鍵がかかっていた。
また、部屋に窓はあったがこれも内側から鍵がかかっていたのに加えて鉄格子があったので外部犯の可能性はないに等しい。
部屋には1台のピアノがあり、被害者は椅子に座ってピアノに寄りかかるようにして死亡していた。
また不審な事に、大量の「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の楽譜が部屋中に散らばっていた。
指は10本全てが切断され、現場からは1本も見つかっていない。

「そりゃ、そうだろうな…」

矢住はPCのキーボードを打つ手を止める。
無表情だった顔がみるみるうちに歪んだ笑顔へと変化してゆく。

「だって、俺が殺したんだから」

俺は、小夜子が愛しくてたまらない。
世界中の誰よりも俺は彼女を愛している。
こんなにも好きで、こんなにも愛情を伝えてるのに、彼女は俺を拒否する。

「やめてよっ!!気持ち悪い!!このストーカー!!」

なんで?
こんなにも君に好意を寄せているのに、何で拒絶するの?
俺が、嫌い?

だから、殺した。

俺、は。
彼女の中に俺という存在を刻みつけたかった。

矢住はそっと机の引き出しを開ける。
そこには、彼女の10本の、指が。

ぐちっ…がりっ…

血をすすり、肉を噛む。
とても愛おしそうに咀嚼する。

まったく、可愛くて仕方が無いなぁ。


END.
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