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082:無感情

本当は この星も 誰かがつくった虚構だったとして。

【082:無感情】

もし、この世界に神様がいたとしたら。
きっとその神様は無慈悲で無感情で。
僕の悩みや痛みや苦しみなんて少しも分かりはしないだろう。

「僕はいつまでこうしているんだろう」

僕は勇者として生まれてきた。
世界を救うため、という漠然とした理由で毎日体を鍛えさせられ。
何度も何度も危険な目に遭って、何匹もの強いモンスターを倒してきた。
正直、もうこんな生活を続けるのは嫌だった。

「世界が平和になれば、すぐにこんな生活は終わるだろう」

僕の相棒、僧侶のデックは淡々とした表情でモンスターに攻撃魔法を仕掛けてやっつけてゆく。
あと少し、魔王を倒せば世界は平和になるから。

「なあ、デック」

「何だ」

「本当はこの世界は誰かがつくったニセモノじゃないのか?」

「何を馬鹿な事を言ってるんだ勇者」

「デック、僕の話を聞いてくれ。この世界は誰かがつくったニセモノの世界に思えるんだよ」

「そんな馬鹿な。勇者、疲れているのか?回復魔法をかけてやろうか?」

「違うんだ、そうじゃない。例えば、雷や嵐や地震、僕らに襲いかかってくるモンスターでさえ、実はこの世界の神様がイタズラで遊んでるだけだったとしたら?」

「勇者、考えすぎだよ。さあ、この扉の向こうの魔王を倒せば世界は平和になるんだ。愚痴は魔王を倒した後でゆっくり聞いてやるからさ。ぼ~っとしてたらすぐにやられるぞ!!」

「デック、待ってくれ。僕の話を…」

相棒のデックは躊躇いもなく、魔王の部屋のドアを勢いよく開け放った。


――――数時間後。

「…見事だ…勇者…達よ…」

そう言い残して、魔王は灰になって消えた。
僕らはダメージを喰らいながらも、渾身の力で魔王を討伐したのだ。
世界は平和になった。
祝福する村の人々。
とても嬉しい事の筈なのに、僕だけは素直に喜べなくて。

「やめてくれ…!もうやめてくれ…!!」

僕は頭を抱えた。

∇3週目をプレイしますか?
→はい
 いいえ

もし、この世界に神様がいたとしたら。
きっとその神様は無慈悲で無感情で。
僕の悩みや痛みや苦しみなんて少しも分かりはしないのだろう。

そうして、僕の心は壊れて。
いつしか僕も、無感情になっていくのだろう。

Replay?


END.
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