FC2ブログ

HOME>100のお題その1

086:選民意識

おめでとうございます。
 おめでとうございます。
  おめでとうございます。


【086:選民意識】

大丈夫、俺は選ばれた人間なんだ。
何か問題があるか?
俺はこの中で一番偉いんだ。
だから俺が手を下して何が悪い?
俺が正義だ。
敵対する奴は悪だ。
それが事実だ現実だ。

「果たしてそうだろうか」

黒い特攻服姿の奇妙な男が冷めた視線で俺を見つめる。

「何だ。お前も俺の敵か?」

「敵対する気はないね」

「じゃあお前は誰だ?お前は一体何なんだ」

「私を定義するものは何も無いが、人間の世界で言うところの死神って奴ですよ」

「殺し屋か?」

「いいえ、私はただ貴方に事実を伝えに来ただけですよ」

「事実だと…?」

「ええ。貴方は死んだのです」

「死んだ?俺が?この俺が?」

どうしてだ?
日本で一番偉い総理だぞ?
何故俺が死ななければならない?

「総理、貴方は日本国民を一人、誤って車で轢き殺してしまいましたよね?」

「貴様何故知っている」

「何故と言われても見ていたからとしか言えませんね」

「この…っ!!」

「おっと!また貴方の悪い癖が出ましたね」

「悪い癖…だと?」

「貴方に車で轢かれた日本国民はまだ息があった。なのに貴方は救護をせず、もう一度その日本国民を車で轢いてトドメをさした。違いますか?」

「お前に言われる筋合いはない」

「貴方と同乗していた秘書に口止めをした。このことを誰にも言ってはならないと」

「うるさい!!」

「そして貴方は翌日秘書を殺した。違いますか?」

「黙れ…黙れよ…」

「だけど秘書はたまたまその時の事を記録していた。映像まで残っていた。その映像記録が記者の手に渡り、日本中で大騒ぎ…パニックになった。裁判で貴方は死刑になった」

「俺は総理大臣だぞ!!」

「だから何だって言うんです?裁判で貴方は死刑になった。貴方は悪だと判断されたのですよ?死後の世界では肩書きなんて関係ない」

「俺は…俺は…」

「おめでとうございます。貴方は選ばれた人間です」

「やめろ…何をする…!!」

「おめでとうございます。貴方は地獄行きに選ばれました」

END.
スポンサーサイト

この記事のトラックバックURL

http://paradox07.blog68.fc2.com/tb.php/168-13891f9e

コメント

コメントする

管理者にだけ表示を許可する

  Template Designed by めもらんだむ RSS

special thanks: Sky Ruins, web*citronDW99 : aqua_3cpl Customized Version】