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HOME>100のお題その2

006:手袋

君に触れるのが怖いんだ

【006:手袋】

「潔癖なの?」

ってあいつは言った。
総合病院の待合室。
そいつは底抜けの笑顔で俺に話しかけてきて。
俺は面食らう。

「違うよ」

「そっかー」

なんで。
そんなに無邪気に笑うの?

「何だよ、お前」

「俺健二って言うんだ!よろしくな!!」

聞いてないのに勝手に喋り出す。
初対面なのに。

「俺さー、木登りしてたら落っこちて腕骨折したんだー!なーお前どこに住んでるの?えっ、それ俺んちの近くじゃん今度遊びに行っていい?」

「あのさ」

「なぁなぁ走一」

もう下の名前で呼び捨てかよ。

「何でお前手袋してるの?潔癖?」

「違うってさっき言ったろ」

「違うの?病気?」

俺はそっと手袋を外して見せる。

「火傷。治りかけだけど、見た目が、アレだから…」

語尾が尻すぼみになる。
ボコボコになった皮膚が気持ち悪いから、隠すための手袋。
俺はまた手袋をはめる。

「綺麗な手してんじゃん。外しちゃえよ」

「えっ」

「見た目がアレだから隠すとか関係ねーだろ。お前、女々しいなー!」

「女々しいって言うなよ」

「ごめん。でもさ、ほら何て言うか…ほら!男は傷つくってナンボだろ?」

そいつは骨折した左腕をポンポンと叩いて俺に見せる。

「それお前だけだろ。木登りして骨折とかアホだろ」

「アホって言うなー!」

俺と健二が小学生の時の話。


END.
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