012:境界線
心は身体の何処にあるのだろう?
例えば利き手を切り落としたとして、その切り落とした手に心の一部は宿っているのか。
半分以上の人間が「ない」と答えるのだろう。
【012:境界線】
僕は今、見ず知らずの他人に景気よく全身の骨を折られてバラバラに解体されている。
ただ漠然と、僕は客観的に事の成り行きを見守っている。
2月14日。
その日は僕の命日だった。
女は無表情で棒状の物を遠慮無く僕の体につき立てている。
ごりっ、ぺきっ。
グチャグチャと引っ掻き回し終えた女は、僕の身体を処理する為に次の段階へ移る。
僕の身体を狭い所に押しこみ、火をつけて間接的に炙る。
身体の境界線がなくなったかのようだ。
いっそ清々しく弄繰り回してくれ。
M?いいや、僕にそんな趣味はない。
こうして僕は死んだわけだけど。
魂の抜けきったそこら辺の石ころと変わらない僕の身体にまだ心はあるのだろうか?
あるとしたら、何処に…?
「…できた」
女は満足そうに笑った。
完成したのか。
それはそれは、おめでとう。
心を込めて君と僕にこの言葉を送る。
Happy Valentine
Happy RE:Birthday.
男と女の境界線をぶち破る、素敵な日だね。
成功するといいな。
END.
例えば利き手を切り落としたとして、その切り落とした手に心の一部は宿っているのか。
半分以上の人間が「ない」と答えるのだろう。
【012:境界線】
僕は今、見ず知らずの他人に景気よく全身の骨を折られてバラバラに解体されている。
ただ漠然と、僕は客観的に事の成り行きを見守っている。
2月14日。
その日は僕の命日だった。
女は無表情で棒状の物を遠慮無く僕の体につき立てている。
ごりっ、ぺきっ。
グチャグチャと引っ掻き回し終えた女は、僕の身体を処理する為に次の段階へ移る。
僕の身体を狭い所に押しこみ、火をつけて間接的に炙る。
身体の境界線がなくなったかのようだ。
いっそ清々しく弄繰り回してくれ。
M?いいや、僕にそんな趣味はない。
こうして僕は死んだわけだけど。
魂の抜けきったそこら辺の石ころと変わらない僕の身体にまだ心はあるのだろうか?
あるとしたら、何処に…?
「…できた」
女は満足そうに笑った。
完成したのか。
それはそれは、おめでとう。
心を込めて君と僕にこの言葉を送る。
Happy Valentine
Happy RE:Birthday.
男と女の境界線をぶち破る、素敵な日だね。
成功するといいな。
END.
スポンサーサイト
この記事のトラックバックURL
http://paradox07.blog68.fc2.com/tb.php/199-070f0aff