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HOME>100のお題その1

014:境界線

「つまり、私は死んだのね?」

彼女は死神に訊く。

「一応、そういう事になるね」

黒い特攻服姿の死神、Navy(ネイビー)は頷く。

「不思議ね…何だか生きてる時と変わらないわね」

「そうだね。この世界は生者と死者が同時に存在する世界だからね」

「どうして生きてる時は死者が見えないのかしら?」

「場所は同じでも、次元が違うのだよ。 生者が存在する次元は低位次元であり、死者が存在する次元は上位次元。 上位次元から低位次元を見る事は容易なのだよ。 しかし、次元を超えた交流…例えば会話などは不可能では無いのだが、多大な困難を伴うのだよ。 ラジオを聞くには周波数を合わせる必要があるのと似ているね」

「ややこしいのね」

「そうだね。 そもそも、生と死の境界線というモノは本来は存在しないのだよ」

「えっ?」

「そもそも死というものは、鼓動と呼吸の停止、又は生命活動が不可逆的に止まる事で、死んだものとする見方が一般的であるが、それは所詮、生きている人間が定義したものに過ぎない。 つまり、肉体を持たない我々の視点では、生物学的における死よりも、宗教学的視点で見た方がつじつまが合う。 宗教学的視点では、死というものは肉体の消滅だけで、霊魂は生きてるとする考え方が多い。 我々の視点で見ると、死と生の境界線というものは曖昧なのだよ」

死神Navy(ネイビー)は言った。

「これから私はどうすればいいのかしら?」

「さぁ、どうしたい?」

「思い浮かばないわ」

「なら、生まれ変わってもう一度人間として生きてみるといい」

「そうね。 そうするわ」

女性は微笑し、死神もつられて微笑った。

END.-----------キリトリマセン--------------
追記のようなもの:昔自分が書いた小説の使い回しだったり。
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