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【005:Spiral 2.】



【005:Spiral 2.】

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飛び降りてしまおうか。
一瞬、そんな考えがよぎるが、行動に移す気は毛頭無い。
恐らく、飛び降りても何も変わりはしないだろう。
此処は、無限に続く螺旋階段。
青年、Rarry(ラリー)は無限階段でさまよう亡霊で、いつも螺旋階段にいる。
しかし、嫌だと言う訳では無い。
案外、亡霊生活を楽しんでいたりする。
これは、自分で選んだ道なのだ。

「変わったお人だ」

死神Navy(ネイビー)はクスッと微笑う。

「アンタもな」

横目で黒い特攻服を着た奇妙な死神を見る。

「私は普通の死神です」

「特攻服着た死神が何処にいるんだよ。どう見ても木刀持ったヤンキーにしか見えません」

「これは木刀ではなく、死神の鎌なのだよ」

RarryとNavyが他愛もない会話をしていると、誰かが螺旋階段を降りて来た。
足を滑らせて。

「キャッ!」

少女の短い悲鳴が聞こえる。

「危ないっ!」

Rarryは手を伸ばして少女を助けようとした。
Navyは慌てて呪文の様な言葉を唱えると、木刀を振る。
ドサッという音が響き、Rarryは少女を無事に救出した。

「この子、亡霊かな」

Rarryは尋ねる。

「いや、彼女はれっきとした生きた人間。さっき貴方を一瞬だけ実体にしたのですよ。今は亡霊に戻ってます」

少女はすぐに目を覚ますと、RarryとNavyの顔を見た。

「ありがとう」

普通の人間には見えない筈のRarryとNavyに向かって言う。

「幽霊の俺が見えるのか?」

Rarryは尋ねる。

「うん」

少女はにっこり笑う。

「私の名前はTail(テイル)。私、霊感強いから幽霊見えちゃうの」

「あぁ、なるほど」

「本当にありがとう」

「これからは気を付けてね」

「うん。バイバイ」

少女、もといTailは手を振りながらゆっくり階段を降りて行った。

「珍しい来客でしたね」

「あぁ」

RarryとNavyは今日も無限に続く階段にいる。


END.
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