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【006:塔の上の最後の僕】




【006:塔の上の最後の僕】

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戦争は苦しい。
戦争は辛い。
戦争は、悲しい。
戦争は、哀しい。
最後に残されたのは
瓦礫の山と
人間ですらなくなった人間と
頑丈な塔と
生き延びた僕。
今日も
塔の上で青い空を見つめている。

「他の場所に行こうとは思わないのかね?」

誰もいない筈の背後から、声が聞こえる。
振り向くと黒い特攻服を着た男が立っていた。

「君は誰だ?兵士か何かか?」

僕は特攻服の男に尋ねる。

「兵士でも戦士でも無いよ。私の名はNavy(ネイビー)。私を定義するものは何も無いが、しいて言うなら死神と言うね。
さて、君はここを離れる気は無いのかな」

「うん、僕は何処にも行く気は無いよ。僕はね、このまま塔の上で朽ち果てても良いと思ってる」

「そうか」

「最も苦しかったのは、戦争の犠牲になった人達だから。だから僕は、この人達と枯れて行こうと思う」

彼は、優しく、微笑う。

「好きにしろ。私は君を止めたりはしないよ」

死神も――優しく笑った。

END.
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