新聞記者とBlack・Joke. 1
*この物語はフィクションです。

「一体これはどういう事なんだろうな?」
新聞記者の彼は首を捻る。
目の前には原型を留めていない車が転がっていた。
「落ち着いて状況を整理すっか」
彼は新聞記者で、毎日様々なニュースを記事にしていた。
しかし、ここ最近この仕事に疑問を持つようになり、記事が書けないでいた。
「何故、君は新聞記者という仕事に疑問を持つようになったのかな?」
背後には黒い特攻服姿の死神がいる。
最初はなかなか信じられなかったが、どうやら本物らしい。
彼は死神の方をチラリと見ると、質問に答える。
「毎日毎日新聞に記事を書いてるけど、意味はあるのかなってたまに思うんだよ。
必死で記事を書いて、何度も何度も上司からボツ喰らってさぁ。
やっとOK貰って記事になって、新聞は発行されて、多くの人に読まれるけど。
一回読まれただけですぐに新聞は廃品回収にされちまうんだぜ?
何か、切ないよなぁ…」
新聞記者の彼は、溜め息をドッと吐き出すと、ポケットから煙草とライターを取り出して、煙草を吸い始める。
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