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Maria. 1




*この物語はフィクションです。


死者は泣いていた。
「何故僕は死んだのだ」と泣き叫んだ。
享年21歳。
死因は、白血病だった。
希望があった筈だった。
夢を叶える筈だった。
病に苦しみ、のたうちまわる事もあった。
高熱、点滴、絶対安静。
無菌室という風景の変わらぬ部屋に入れられ、何本もの抗がん剤と輸血を射たれた。
腕は何本もの点滴のせいで、ボコボコに穴が開き、血行が悪く、赤黒い不気味な色に染まり、抗がん剤により、髪がゴソッと何本も抜け落ちた。
それでも彼は病気が治ると信じていた。

「私もね、君みたいな白血病の人を見た事があるんだ」

死神Navy(ネイビー)は寂しそうな表情で彼に言う。

「その人は、私の親戚でね。
泣くのを見た事が無かった。
だけど、その親戚は泣かなかった訳じゃない。
一人で…誰も見ていない場所で泣いていたのだよ」

「だから、何だって言うんだ!?」

彼は死神を睨み付ける。
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