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紳士の正体




【紳士の正体】


18世紀フランス。
小さな船に客を乗せて働く兄弟がいました。
ある日のこと。
1人の男性が釣りをしようと、その兄弟の船に乗り込みました。
男性は上等な服を着たいかにも紳士といった様子。
彼はしばらく釣りを楽しんでいましたが、兄弟仲良く働く様子を見て彼らに興味を持ちました。

「君たちのように喧嘩もせずに仲良く働いていればなかなか儲かるんじゃないのかな?」

「僕らは朝早くから夜遅くまで働いているおかげでいくらかのお金は頂いてます。ですが、貯めることはできないのです」

「それはなぜだい?」

「僕らの父は、大きな貨物船に荷物を載せて運んでいましたが、南の海で海賊に襲われてしまい、荷物を奪われた挙句に父も奴隷として売られてしまったんです。父を助けるためには、莫大な身代金を払わなければなりません」

「そうか…それで貯金はできないのか…では、お父さんは一体何処に?」

紳士は、お父さんのことまで色々と訊いて帰って行きました。
一ヶ月ほど過ぎた頃、兄弟の家にひょっこりと父親が戻って来ました。

「誰かが身代金を払ってくれたようだが、お前たち、心当たりはないか?」

「あの紳士が助けてくれたんだ!」

兄弟は、あの日船に乗せた紳士のことを思い出しました。
兄弟とその父親は紳士を必死で探しましたが、名も知らぬ男性を探し出すことはできませんでした。

やがて時は流れ、1人の偉大な哲学者・法律家が亡くなりました。
三権分立を唱えたことで知られる、シャルル・ド・モンテスキューです。
モンテスキューの遺品の日記の中には、釣りで出会った兄弟の父親を身代金を払って呼び戻したことが記されていたという…
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