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走り屋群像劇場『走り屋3rd+』




【走り屋群像劇場『走り屋3rd+』】

走り屋群像劇場『走り屋3rd+』 ACT2:標識

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「なあなあ、知ってるか?これは俺が自動車教習所に通ってた時に教官から聞いた話なんだけどな…」

都市伝説。
それは、『友達の友達から聞いた』というくだりで始まる、根拠のない噂話である。
しかし、都市伝説は本当にただの噂話なのだろうか?
ひょっとしたら中には、真実の話も含まれているのかもしれない。

今日も流 健二は都市伝説を垂れ流す。
相良 走一は苦虫を噛み潰したような顔で車を運転している。
走一と健二は走り屋である。
こうして夜な夜な峠や山を走り込んでいる。

「だから、夜にそういう話はやめろって…」

走一は顔をしかめて諌める。
だが、都市伝説好きの健二の話はまだまだ止まりそうになかった。

「走一、黄色い背景に黒の『!』マークが入った標識を1度は見たことあるだろう?」

「ああ、あれは『その他の危険』だろ?自動車学校で散々やったよ…」

「ちっちっち」

健二はもったいぶった様子で指を左右に振る。
そんな助手席に居る健二に左手で容赦なくチョップする。

「あべし!」

健二のいい声が聞こえた。
世紀末か。

「『!』の標識は『その他の危険』だろ?大抵補助標識がついてて『路肩弱し』とか『上り坂勾配あり』といった感じでだな…」

走一は記憶を掘り起こしながら標識の説明をする。
健二は走一の解説を遮って言う。

「補助標識がついてない場合は?」

「へ?」

「例えば、ここ」

健二は指さした。
そこには、『!』の標識があった。
だが何処にも補助標識は見当たらなかった。


【『!』の標識】
黄色い背景に黒の「!」マークが入った標識を見たことはないだろうか?
道路交通法での「!」標識の設置基準は『その他の危険』とされている。
この標識が設置されるときには補助標識といって「!」マークの下に
「路肩弱し」、「上り坂勾配あり」といったふうに、その場所にどんな危険があるのかを補助的に指し示す白い長方形のプレートが付いている。

だが、「!」マークの標識の一部には補助標識が付いていないものがある。
一見しても何に注意すればいいのかわからない場所に立っている『その他の危険』、
実はその場所には幽霊が出るので「幽霊注意」を呼びかける標識だったのだ。
国土交通省としても、公の機関が霊の存在を認めるわけにはいかないので、
その他の注意を示す「!」標識に補助標識を取り付けないことで、幽霊注意を表しているのだ。



「ええと、それは…」

走一は困ったように口ごもる。

「だろ?『!』単体の標識については意外と知らない奴が多いんだよ」

健二は得意げに言う。
走一は車を止めると、『!』の標識をまじまじと見つめる。

「確かに、補助標識がないな…外れた跡もないみたいだし…」

「教えてやろうか、その標識の意味」

健二は走一の背後に忍び寄ると、下から懐中電灯をパッと当てて呟く。
走一はビクリと肩を震わせると、恐る恐るその単語を口にした。

「…幽霊?」

走一が涙目で答える。
何を隠そう、相良 走一という人物は幽霊や怪奇現象といった類を一切信じてはいない、霊感のある現実主義者である。
だが、頑なに幽霊や怪奇現象を否定するという理由はただ1点。
怖いから。

「そう。補助標識がついていない『!』の標識は幽霊注意なんだよ…どうだ、怖いだろう?」

「ホギャアァァァァ━━━━━━(|||゚Д゚)━━━━━━!!!!!!んなわけないだろー!!そんなもん俺と国土交通省が認めんわー!!」

「いや全くその通りだよ。国土交通省としても公の機関が霊の存在を認めるわけにはいかないって言うんでその他の注意を表す『!』の標識をだな…」

走一は悲鳴を上げると、その場でうずくまった。

「あの…走一さん?」

健二は頭を抱えてブルブルと震えている走一に声を掛ける。

「健二…お前、見えてないのか?」

「へ?」

「標識の後ろ…草むらに…」

走一が震える手で指をさす。
健二は言われた通りに懐中電灯を照らしてみたが、そこには何も見当たらない。

「誰もいませんが」

何故か丁寧な口調で返答する健二。
瞬間、走一はものすごい早さで自分の車へと走って逃げていく。

「あ、ちょ…おい、待てよー!」

健二は慌てて走一の後を追う。
助手席に座ると、運転席の走一に尋ねた。

「おい、一体何なんだよ…どうしたっていうんだよ…」

そんな健二にはお構いなしに走一は訥々と話し始めた。

「標識を見ていたら、急に寒気を覚えた。標識の向こうの草むらの中に、ひとりだけ異様な雰囲気の女性がいたんだ…見た目は変でもないし、特別変わっているわけでもない。
でも、俺には何故かその女性はおかしく思えたんだ」

「ひとりだけって…誰も居なかったぞ?」

「いたよ…沢山。ざっと数えて10人はいた」

霊感のある走一の瞳に何が映ったのかはわからない。
だけど、健二には何も・誰も見えなかった。
走一はガチガチと未だ震え続けている。
ポツポツと走一は言葉を紡ぐ。

「異様な雰囲気を持つ女性とは目を合わせないようにしていたんだけど、その女性はこっちに近付いて来てすれ違った瞬間に、彼女は笑いながらこう言ったんだ…」

『よく分かったわね』

「おい、それって…」

「あー知らん!!俺は何も見なかった!!」

走一はそう言うと車を急発進させた。
数分後、今度は別の意味で健二が恐怖に陥ったのだがそれはまた別の話。
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