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てるてる坊主




【てるてる坊主】

「てるてる坊主の歌は知っているか?」

「え、それってあれだよな…」

てるてる坊主てる坊主
明日天気にしておくれ
いつかの夢の空のように
晴れたら金の鈴あげよ

てるてる坊主てる坊主
明日天気にしておくれ
私の願いを聞いたなら
甘いお酒もたんと飲ましょ

てるてる坊主てる坊主
明日天気にしておくれ
それでも曇って泣いてたら
そなたの首をチョンと切るぞ


てるてる坊主はとある僧が元になっている。

「おい、珍念ちょっと来い」
いつもの様に呼ばれる珍念。
また今日も僧たちのいじめである。
罵詈雑言を浴びせられ、殴られたり蹴られたり… 珍念は毎日こんな日々を送っていた。

珍念は修行僧。
寺の周りの花壇に水やりをするのが珍念の仕事。
しかし、最近は雨のお陰で水やりをしなくてもよいので珍念の仕事は休みだった。
毎朝4時に起きては、とてつもなく広い寺の花壇に水やりをさせられている珍念にとっては大変嬉しいことだった。

でも、雨はいいことばかりじゃない。
寺の僧たちは雨が大嫌いなので珍念へのいじめがエスカレートしてしまうからだ。
雨なんてものはそう続くもんじゃない、すぐに終わるだろう…珍念はそう思っていた。

しかし、珍念の考えは甘かった。

雨は一週間続き、寺の花壇の花は枯れてしまい、それすらも珍念のせいだと僧たちにいじめられた。
僧たちは珍念に怒鳴りかかった。

「珍念、お前のせいでこんなに雨が降っている。一週間以内に雨をやませろ」

「もし、お前が一週間以内に雨をやませたら、お前の欲しがっていた金の鈴と飲みたがってた酒をやろう」

珍念に選択肢はなかった。
もし、断ったならいじめが増え、耐えられない日々を送ることになるだろう。

それからというもの、珍念は雨をやませる勉強をした。
何度も祈った。
しかし雨はやまず、1日、また1日と過ぎ去っていった。

ついに約束の一週間。

前日の夜、珍念は出来る限りのことをして、明日の天気に願を掛けた。
するとどうだろう、曇りではあるが雨は止んでいた。
珍念の願は叶ったのだ。
「雨をやませて欲しい」という願いが。

しかし、僧たちは約束を守らなかった。
「あの時俺達は『晴れにしたら』と言ったのだ」と言い出したのだ。
珍念はその場で泣き崩れた。
どうしてもこの状況から逃れられない自分の立場が悔しかった。

翌日、空は雲ひとつ無い快晴だった。
しかし、ある1箇所だけ雨が降り続いていた。

花壇の上に吊るされた、真っ赤な毛布。
上部は丸く、縛られくびれができて、毛布の先からは真っ赤な血の雨が滴り落ちていた。
それを見た僧たちは不安になり、急いで吊るされた毛布を花壇に下ろした。
そして、真っ赤な毛布を広げると、そこには喉を切り裂き、首から下が真っ赤になった変わり果てた姿の珍念がいた。
珍念の身体はもう冷たくなっていた。
それを見た僧たちは不安と祟りを恐れ、二度とこのようなことがないようにと歌を作り後世に伝えたという。

つまり…
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