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子取り箱




【子取り箱 コトリバコ】

作者不詳。
地域不明。


2005年6月6日(月) 12:57:48 ID:lJdBivui0



俺、暇なときにまとめサイト見てる者です。
俺自身霊感とか全くなくて、ここに書き込むようなことはないだろうなぁって思ってたんですが、先月あったホットなお話を書き込もうかと思いここに来た次第。

一応話の主役の許可は取って書き込んでます。
ここなら多くの人が信じてくれそうなので。
長文かも。
(文才もなく長文カキコもほとんどしたこと無いので読みにくいかも)

冒頭述べたように、俺自身にはまったくもって霊感などは存在してません。
なのでこれ、ホントに霊とか絡んでる話かは俺には判別不可。
皆さんに判別してほしい。
会話の内容も、覚えてるものを書いているのでかなり乱文かもしれません。

で、本題。
この話は、霊感の強い友達の話。

その友達は中学生の時からの付き合いで、30手前になった今でもけっこう頻繁に遊んだり、飲みに行くような間柄。
そいつん家は俺らの住んでるところでもけっこう大きめの神社の神主さんの仕事を代々やってて、普段は普通の仕事してるんだけど、正月とか神事がある時とか、ケコーン式とかあると、あの神主スタイルで拝むっていうのかな?
そういった副業(本業かも)をやってるようなお家。
普段は神社の近くにある住居に住んでます。

その日も飲みに行こうかってことで、とりあえず俺の家に集合することになったんです。
先にそいつと、そいつの彼女が到着して、ゲームしながらもう一人の女の子を待ってたんです。

その神社の子をM、遅れてくる子をS、俺のことをAとしますね。Mの彼女はKで。

しばらくゲームしながら待ってたら、Sちゃんから電話がかかってきたんです。

Sちゃん「ごめんちょっと遅れるね、面白いものが納屋から見つかって、家族で夢中になってた。Aってさ、クイズとかパズル得意だったよね?面白いものもって行くね!もうちょっと待ってて~~~」

ってな感じの内容でした。
で、40分くらいしたころかな、Sちゃんがやってきたんです。
その瞬間、というかSちゃんの車が俺ん家の敷地に入った瞬間かな。

M「やべぇ。これやべぇ。やべ…どうしよ…父ちゃん今日留守だよ」

って言ったんです。

俺「ん?Mどうしたが?また出たんか?」

K「大丈夫!?またなん?」

M「出たってレベルのもんじゃねぇかも…はは…Aやべぇよこれ、Sちゃん…まじかよ」

Mは普段は霊感あるとかオバケみるとか神社の仕事とか、あまり話題には出さないんですが、たまにこうやって怯えてるんですよ。
俺もSもKも、そのことは知ってるんですが、Mが突っ込んだ話されるのを嫌がるので普段はあまり話題にしません。
Sちゃんが俺の部屋まで上がってきました。
Mは顔面蒼白って感じで、

M「Sちゃんよ…何持ってきたん?出してみ…」

S「え?え?もしかして私やばいの持ってきちゃった…のか…な?」

M「うん…」

S「これ…来週家の納屋を解体するんで掃除してたら出てきたん」

そう言ってSちゃんは木箱を出したんです。
20cm四方ほどの木箱でした。
電話でパズルって言ってたのはこのことだろう。
小さなテトリスのブロックみたいな木が組み合わさって箱になってたと思う。

M「それ以上触んなや!触んなや!!」

その瞬間、Mはトイレに猛ダッシュ。

「おぅえぇええ。ぅぇえぇうぇええええ」

嘔吐の声が聞えてきました。
Kがトイレに行ってMの背中をさすってやってるようでした。(良い彼女だ…w)
一通り吐き終えたMが戻ってきました。

Mが携帯を取り出し電話をかけました。

M「とうちゃん…コトリバコ…コトリバコ友達が持って来た。俺怖い。じいちゃと違って俺じゃ、じいちゃみたくできんわ…」

Mは泣いてました。
とうちゃんに電話かけて泣いてる29歳…
それほど恐ろしいことなんでしょう。
俺も泣きそうでした。

M「うん付いちょらん、箱だけしか見えん。跡はあるけどのこっちょらんかもしらん。うん、少しはいっちょる、友達のお腹のとこ」

M「シッポウの形だと思う…シッポウだろ?中に三角ある。シッポウ。間違いないと思う、だって分からんが!俺は違うけん!」

(なにやら専門用語色々でてたけど、繰り返していってたのはコトリバコ、シッポウ…もっと色々言ってたけど忘れました、ごめん)

M「分かったやる。やる。ミスったら祓ってや、とおちゃん頼むけんね」

Mはここで電話を切りました。
最後にMは2分ほど思いっきり大泣きして、しゃくりあげながら
「よし」
と正座になり、自分の膝のあたりをパシっと叩きました。
もう泣いてませんでした。
何か決意したようで。

M「A…カッターか包丁貸してごせや」
(「ごせ」ってのはうちらの方言で、~してくれとかの語尾ね)

俺「お、おい、何するん!?」

M「誰か殺そうっちゅうじゃない、Sちゃん祓わないけん。Sちゃん、俺みて怯えるなっちゅうのが無理な話かもしらんが、怯えるな!」

M「KもAも怯えるな!とにかく怯えるな!怯えるな!!負けるか!負けるかよ!!俺が居る!怯えるな!怯えるな!なめんな!俺だってやってやら!じいちゃんやってやら!見てろよ糞!糞ぉおおおおお!」

Mは自分の怯えを吹き飛ばすかのように咆哮をあげていました。
Sちゃん半泣きです…怯えきってました。
俺もKも泣きそうです。
本当にちびりそうだった…

S「分かった、分かった、がんばっでみる」

俺もSもKもなにやら分からないけど、分かった分かったって言ってました。

M「A、包丁かカッター持ってきてごせや」

俺「お、おぅ…」

包丁をMに手渡しました。

M「A、俺の内腿、思いっきしツネってごせや!おもいっきし!」
(思い切り内股をつねってくれ)

もう、わけ分からないけど、Mの言うとおりにやるしかありません。

M「がぁあああああがあぐいうううあああ…!!!」

Mの内腿をツネり上げる俺。
俺に腿をつねり上げられながら、Mは自分の指先と手のひらを包丁で切りつけました。
たぶん、その痛みを消すためにツネらせたのかな?

M「Sちゃん口開けぇ!」

MはSちゃんの口の中に、自分の血だらけの指を突っ込みました。

M「Sちゃん飲みぃ、まずくても飲みぃ」

S「あぐ;kl:;っぉあr」

Sちゃん大泣きです。
言葉出てなかったです。

M「◎△*の天井、ノリオ? シンメイイワト アケマシタ、カシコミカシコミモマモウス」

なにやら祝詞か呪文か分かりませんが、5回~6回ほど繰り返しました。
呪文というより浪曲みたいな感じでした。
そしてMがSちゃんの口から指を抜くとすぐ、SちゃんがMの血の混じったゲロを吐きました。

S「うぇええええええええええおええわええええええええ」

M「出た!出た!おし!!大丈夫!Sちゃんは大丈夫!」

M「次…!じいちゃんみててごせや!」

Mは血まみれの手を、Sちゃんの持ってきた木箱の上に被せました。

M「コトリバココトリバコ ◎△*??Й…いけん…いけん…やっちょけばよかった」

Mがまた泣きそうな顔になりました。

M「Aっ!とおちゃんに電話してごせや」

言われたとおりにMの携帯でMのとおちゃんに電話をし、Mの耳元にあてました。

M「とおちゃん、ごめん忘れた、一緒に呼んでくれ(詠んでくれかな?)」

Mは携帯を耳にあて、右手を小箱添えて、また呪文みたいなものを唱えてました。
やっぱり唄ってるみたいな感じでした。

M「終わった。終わった…おわ…ったぁ…うぅえぇえええ」

Mはまた号泣してました。
大の大人が泣き崩れたんですよ。
Kによしよしされながら、20分くらい大泣きしてました。
俺とSとKも号泣で、4人でわんわん泣いてました。
その間も、Mは小箱から決して手を離さなかったような気がします。
(号泣してたんであまり覚えてませんがw)

少し落ち着いてから、Mは手と箱を一緒に縛れる位のタオルかなにかないか?
って聞いてきたので、薄手のバスタオルでMの手と木箱を縛り付けました。

M「さて、ドコに飲みに行く?」

一同「は?」

M「って冗談じゃw今日はさすがに無理だけん、A送ってくれよ」
(こいつどういう神経してるんだろ…ほんと強い奴だなぁ)

その日はSもMもKもなんだかへとへとで、俺が送って行くことになりました。
(飲みだったんで、もともと俺が飲まずに送る予定だったんですよ!いやホントにw)
で、それから8日ほどMは仕事を休んだようです。
そして昨日Mと会い、その時のことを聞いてみたんですが。

M「あ~っとなぁ。Sちゃんところは言い方悪いかもしらんが、◎山にある部落でな。ああいうところには、ああいったものがあるもんなんよ。あれはとおちゃんが帰ってきてから安置しといた。まぁあんまり知らんほうがええよ」

何やら言いたくない様子でした。
それ以上は、いくら聞こうとしても教えてくれない_| ̄|○

ただ最後に

M「あの中に入っちょるのはな、怨念そのものってやつなんよ。まぁ入ってる物は、けっこうな数の人差し指の先とへその緒だけどな…差別は絶対いけんってことだ、人の恨みってのは怖いで。あんなもの作りよるからなぁ」

M「アレが出てきたらな、俺のじいちゃんが処理してたんだ。じいちゃんの代であらかた片付けた思ってたんだけど、まさか俺がやることになるなんてなぁ。俺はふらふらしてて、あんまり家のことやっちょらんけぇ、まじビビリだったよwちょっと俺も勉強するわ まぁ才能ないらしいがw」

M「それとな、部落云々とか話したけど、差別とかお前すんなや…Sちゃんとも今までどおりな。そんな時代じゃないしな~ あほくせぇろ」

俺「あたりめぇじゃんWそれよりさ、この楽しい話誰かに話してもええの?」

M「お前好きだなぁ 幽霊すら見えんくせにw」

俺「見えんからこそ好きなんよ」

M「ええよ別に、話したからって取り憑くわけじゃないし。どうせ誰も信じねぇよ、嘘つき呼ばわりされるだけだぞ、俺はとぼけるしw」


その後。
当事者4人、俺の家でSの話を聞くという予定だったのですが、SがSの家族、そして納屋の解体の時に一騒動あったという隣家のおじいさんも交えて話がしたいとのことで、Sの家に行くことになりました。

M、S、K、A(俺)それと、Sの父は「S父」、母を「S母」、Sの祖母を「S婆」
Sのおじいさんを「S爺」隣のおじいさんをJとしましょうか。
タイプたいぎいので。(S弟は仕事のため不在)

話の内容は以下のようなものです。
それと、方言で書くのはなるべくやめます。
JとS婆の話、ほとんど異国語なのでw

まず、Sが事件の後、納屋の解体業者が来た時の話を。

俺の家での出来事の2日後になります。
5月23日、頼んでいた業者がきて解体用の機械を敷地に入れ作業に入ろうかという時、S父に隣家のJが話しかけてきたそうです。
S父がおじいさんに納屋を解体することを伝えるとJは抗議してきたそうです。
S父と揉めてたそうで、その声を聞いたSが
「もしかしたらあの箱のことを知っているのかも」
と思い、Jに聞いてみようと外に出たそうです。
この時点でSは家族にあの日のことは話してなかったそうです。

「納屋を壊すな!」

というJに対し

「反対する理由はあの箱のことなのか」
「あの箱はいったい何なのか」

という様なことを聞くと、Jは非常に、非常に驚いた顔をし、

「箱を見つけたのか」
「あの箱はどうした?」
「お前は大丈夫か?」

と慌てた様子で聞いてきたそうで、Sが事件の経緯を話すと、Jは自分の責任だ、自分の責任だと謝ったそうです。
そして、

「聞いておかんかったからこんなことになった」
「話しておかんかったからこんなことになった」
「近いうちにお宅の家族に話さないけんことがある」

と言い、帰って行ったそうです。
そしてSはポカンとしてるS父に事件のことを話したそうです。
そしてJの話を聞いてから、俺らに話そうと思ってたのですが、Jが話しに来る素振りを見せずイライラしてたところに、昨夜俺から電話があったと言うわけです。
そして、昨日俺の電話を受け、Mも来るなら今日しかないと思い、その「話さないといけないこと」を今日話して欲しいということでJを父と一緒に説得して来ていただいたそうです。

次に、Mの話。
S父がJにお話いただけますか?と言うと俺とKが居るので話していいものか悩んでいると(部外者ですもんね)、
と、このあたりでいきなり

M「先に話させてもらっていいですか?」

そういってMが話し始めました。

M「Jさん…本来、あの箱は今あなたの家にあるはずでは?今の時代、呪いと言っても大概はホラ話と思われるかもしれないが、この箱については別。俺は祖父、父から何度も聞かされてたし、実際、祖父と父があれを処理するのを何度か見てきた。箱の話をするときの二人は真剣そのものだった。管理簿もちゃんとある。それに事故とはいえ箱でここの人が死んだこともありましたよね。今回俺が箱に関わったってことと、父が少し不審に思うことがあるということで改めて昨夜、父と管理簿を見たんです。そうしたら、今のシッポウの場所はJさんの家になってた。そうなると話がおかしい。父は『やっぱり』と言ってました。俺の家の方からは接触しないという約束ですが、今回ばかりは話が別だろうと思って来ました。俺の父が行くと言ったのですが、今回祓ったのは俺なので俺が今日来ました」

Jさん、そしてその他一同は黙って聞いてました。
MとJにしか分からない内容なので。

M「それでですね、Jさん。あなたの家に箱があったのなら、Sのお父さんが箱のことを知らないのは仕方がないし、なんとか納得はできます。Sのおじいさんは◎△(以下T家としますね)さんから引き継いで、すぐに亡くなられてますよね。(Sのおじいさんは俺らが知り合った時、つまり厨房の時にはすでにお亡くなりだそうです)」

M「管理簿では、T家⇒Sの家⇒J家の移動が1年以内になってました。Sのおじいさんがお父さんに伝える時間が無かったのだろうと理解はできるんです。それに約束の年数からいって、Sのお父さんに役回りが来ることはもう考えにくい。あなたかT家で最後になる可能性が高いですし…でも、今回箱が出てきたのはSの家だった。これはおかしいですよね」

M「俺、家のことはあまりやってなかったので、管理簿をまじまじと見たことなんてなかったんですが、昨夜父と管理簿をみて正直驚きましたよ。Sの話をさっき聞くまでは、もしかしたら何か手違いがあって、あなたも箱のことを知らなかったのかもしれないと考えてたのですが、あなたは知っていますよね?知っていたのに引き継いでいない。そしてSの家にあるのを知ってて黙っていた…」

M「俺、今回のこと、無事に祓えたんで後は詮索されてもとぼければ済むかなって思ってたんですよ。何かの手違いでSの家の人みんなが知らなかっただけで結果オーライというか…正直焦りまくったし、ビビリまくったけど…」

M「今日だって、昨日父と管理簿見てなかったらここには来てなかったと思います。本来の約束なら、俺の家からこっちに来ることは禁止ですからね。だから今日俺が来たってことは伏せておいて欲しい」

M「でも、そういうわけには行かなくなったみたいです。俺は怒ってますよ。俺の父もね。ただ、顔も知らない先祖の約束を守り続けないといけないって言うのは、相当酷な話だというのも分かります。逃げ出したいって気持ちも。俺だってそうでしたから。俺だってあの日、箱を見ただけで逃げ出したかった。わずかな時間のことだったのに、本気で逃げようかと思った。アレを下手すれば十数年、下手すれば何十年保管するなんてどれだけ怖いのか」

M「でも、もしこういったことがここ全体で起きてるのだとしたら、残りの箱の処理に関しても問題が起きます。Sはたまたま、本当にたまたま箱に近づかなかったっていうだけで…本当に偶然あの日俺と会うことになってたってだけで…もしかしたらSは死んでたかもしれない。そして、もしかしたら他の箱で被害がでているかもしれない。
だから、なぜこういうことになってたのか話していただけませんか?」

M「それとこいつ(Kのこと)はその場に居た「女」です。もちろん子供を生める体です。部外者ではないです。被害者です。それとこいつは(俺のことです)、部外者かもしれませんが、そうでもないかもしれません。こいつの名前は◎○です。ここらじゃそうそうある苗字じゃないですよね?◎○です」

俺はなんのことやら分からなかった。
ただJさんが俺の方を見て

「あぁ…そうかぁ…」

って。

ここでJさんの話に行きますね。(一部S父母の通訳付きです)

J「まず、箱のことを説明したほうがいいですかな。チッポウ(シッポウかと思ってましたがチッポウらしい)はSの家、J家、そして斜め向いにあったT家の3家で管理してきたものです。3家に割り当てられた箱です。そしてあの箱は3家持ち回りで保管し、家主の死後、次の役回りの家の家主が葬儀後、前任者の跡取りから受け取り、受取った家主がまた死ぬまで保管し、また次へ、次へと繰り返す。受取った家主は、跡取りに箱のことを伝える。跡取りが
居ない場合は、跡取りが出来た後に伝える。どうしても跡取りに恵まれなかった場合、次の持ち回りの家に渡す。他の班でも同じ。3家だったり4世帯だったりしますが」

J「そして他の班が持っている箱については、お互い話題にしないこと。回す理由は、箱の中身を薄めるため。箱を受取った家主は、決して箱に女子供を近づけてはいけない。そして、箱を管理していない家は、管理している家を監視する。また、Mの家から札をもらい、箱に張ってある古い札と貼り替える。約束の年数を保管し、箱の中身が薄まった後、Mの家に届け処理してもらう。M神社(仮にそう呼びますね)と昔にそういう約束をしたらしい」

M「それで、俺の家は昔の約束どおり持ち込まれた箱を処理…供養してたんだ。ここにある全ての箱と、箱の現在の保管者の管理簿つけて」

J「そうです。本来なら、私がS爺が亡くなったときに箱を引き継ぐはずでした。でも、本当に怖かったんです、申し訳ない許して欲しい。Tの父親が死に(Sの家の前任者)、引き継いだS爺も立て続けに死に、男には影響ないと分かっていても怖かった。そんな状態で、いつS父が箱を持ってくるのか怯えてたんです。でも、葬儀後、日が経ってもS父が来ない。それでT(S家の前任者の跡取り)と相談したんです」

J「もしかしたらS父は何も知らないのかもしれない、箱から逃げられるかもしれないと。そしてまず、S父に箱のことをそれとなく聞き、何も知らされていないことを確認しました。そして納屋の監視は続け、S家に箱を置いたままにしておくこと。Tは札の貼り替えをした後、しばらくして引っ越すこと(松江に行ったらしい)」

J「そうすれば、他班からは『あそこは終わったんだな』と思ってもらえるかもしれないから。引き継ぐはずだった私が、S家の監視を続けること。そして、約束の年が来たらJが納屋から持ち出しM神社に届けること。そして…本当に、本当に申し訳ない。それまでに箱にSやSの母が近づいて、死んでしまったとしても箱のことはSの家は知らない、他班の箱のことは触れることは禁止だからばれることは無いだろうと、Tと相談したんです。本当に申し訳ない。だから、他班の箱のことは分からない。こんなことは無いと思う、申し訳ない」

Jさんは土下座して何度も謝ってました。
S父さんは、死んだS爺さんに納屋には近づくなとは言われていたそうです。
また、実際気味の悪い納谷で、あえて近づこうとは思ってなかったようです。
Sも同様に。

それで、今回どうせなら取り壊そうという話になり、中の整理をしていてそのときにSが箱を見つけてしまったという経緯でした。
S父さん、S母さん、S婆さん、信じられないという感じでしたが、S婆さんだけがなにやら納得したような感じで、

S婆「納屋はだから近づかせてもらえなかったのか」

という風なことをおっしゃってました。

Mの話がまた続きます。

M「なるほど、そういうことでしたか…引継ぎはしなかったとはいえ、監視しなければならず、結局は箱から逃げることは出来なかったんですね。結局苦しんだ…と。決まりの年まで確かあと19年でしたよね?…引き継いでいたとしても結局は俺が祓うことになってたのかなw」

M「S父さん、S母さん、S婆さん、S…現実味の無い話で、まだ何が何だか分からないと思う。でもこれは現実で、このご時世にアホみたいに思うかもしらんが、現実。でも、Jさんを怒らないであげてほしい。あの箱が何か知ってるもんにとっちゃ、それほど逃げたいもんだけん。まぁ、もう箱はないんだけん安心だが?面白い話が聞けて楽しかったと思ってJさんを許してやって欲しい。Jさんをどうか許してやって欲しい」

Jさんうつむいて、うなだれて、見ててなんだか痛々しかったです。

M「それと、たぶん皆あの箱の中身が何かを知りたいと思う。ここまで話したら、もう最後まで聞いて欲しい。俺も全部は知らんけど、知ってることを話す。ここはもう箱終わったけん、問題ないと思うし。正直、残りの箱はあと2つ、たぶん俺が祓わんといけんもんだけん、俺の決意ってのもある」

M「それと、S父さんは本来知っておかんといけん話だけん。それとAは…多分今話とかんとしつこいけんなぁw」

M「あの箱はな、子取り箱っていって間引かれた子供の身体を入れた箱でな。作られたのは1860年代後半~80年代前半頃。この部落(俺らの言葉では部落とは言いませんが、差別用語です)はこのあたりでも特にひどい差別、迫害を受けた地域なんよ。で、余りにもひどい迫害だったもんで、間引きもけっこう行われていた。△▼(地域名です)の管轄にあったんだが、特に△▼からの直接の迫害が酷かったらしい」

M「で、働き手が欲しいから子供は作るが、まともな給料がなく、生活が苦しいから子供を間引く…これは一応分かるよな?で、1860年代後半かな?隠岐の島で反乱があったのはしっちょるか?」

M「その反乱は1年ほどで平定されたらしいんだけど、その時の反乱を起こした側の一人が、この部落に逃れてきた。島帰りってやつだな。反乱の理由とかは学校で少し習ったろ?隠岐がすごい裕福な土地だったってこととかも。まぁ、それはいいや。で、その島帰りの人間、名前がな…◎○って言うんだよ」

(俺の苗字と同じでした。なんだか訳わかんね…)
◎○⇒以下AAとしますね。

M「AAは反乱が平定されて、こっちに連れてこられた時に隙を見て逃げ出してきたそうだ。話によるとだけどな。この部落まで逃げてきたと。部落の人らは、余計な厄介ごとを抱えると、さらに迫害を受けると思ってAAを殺そうとしたんだって。で、AAが『命を助けてくれたら、お前たちに武器をやる』というようなことを言ったそうだ」

M「その武器って言うのがな、小箱だ。小箱の作り方。部落の人はその武器がどのようなものかを聞き、相談した結果、条件を飲むことにしたんだ。

M「AAはもう一つ条件を出してきた。武器(小箱)の作り方を教えるが、最初に作る箱は自分に譲って欲しいということ。飲めるなら教える。どうしてもダメなら殺せと。部落の人はそれを飲んだ。そしてAAは箱の作り方を教えた…」

M「作り方を聞いてからやめてもいい、そして殺してくれてもいいともAAは言ったそうだよ。それだけ禍々しいものだけん、この小箱ってのは、AAも思うところがあったのかもな。ただ、『やり遂げたら自分も命を絶つが、それでもやらなければならないことがある』…そうAAは言ってたそうだ」

*以下箱の作り方、全部載せるとさすがにやばそうなので?いくつか省きますね。

M「それで、その方法がな、最初に複雑に木の組み合わさった木箱をつくること。これはちょっとやそっとじゃ木箱を開けられないようにするための細工らしい。これが一番難しい作業らしい。お前らもちょっと見ただろ?あのパズルみたいな箱。アレを作るんだ。

M「次に、その木箱の中を、雌の畜生の血で満たして、1週間待つ。そして、血が乾ききらないうちに蓋をする。次は中身を作るんだが、これが子取り箱の由来だと思う。想像通りだと思うが、間引いた子供の体の一部を入れるんだ。生まれた直後の子は、臍の緒と人差し指の先、第一間接くらいまでの。そして、ハラワタから絞った血を。

M「7つまでの子は、人差し指の先と、その子のハラワタから絞った血を。10歳までの子は、人差し指の先を。そして蓋をする。閉じ込めた子供の数、歳の数で箱の名前が変わる。一人でイッポウ、二人でニホウ、三人でサンポウ、四人でシッポウ、五人でゴホウ、六人でロッポウ、七人でチッポウ。それ以上は絶対にダメだとAAは念を押したそうだ。

M「そして、それぞれの箱に、目印として印をつける。イッポウは△、ニホウは■といった具合に。ただ、自分の持っていく箱、ハッカイだけは7つまでの子を、八人をくれと。そして、ハッカイとは別に、女1人と子供を1人くれと。ハッカイは最初の1個以外は決して作るな…とも言ったそうだ」

M「普通、そんな話まで聞いて、実行なんか出来ないよな。そんな胡散臭い人間の話…ましてやそんな最悪の話。いくら生活が苦しくても、自分の子供を殺すのでさえ耐え切れない辛さなのに、さらに殺した子供の死体にそんな仕打ち…でもな、ここの先祖はそれを飲んだんだ、やったんだよ。どういった動機、心境だったのかは全部はわからないけど。それだけものすごい迫害だったんだろうね。子供を犠牲にしても、武器を手にしないといけないほどに、すごい…」

M「そして、最初の小箱を作ったんだと。各家、相談に相談を重ねて、どの子を殺すかっていう最悪の相談。そして実行されたんだ。そして…ハッカイが出来上がった。AAはこの箱がどれほどのもので、どういう効果なのかを説明した。要望にあった子供と女を使ってね」

M「その子供と女の名前は、□■と$*(伏せますね)そして、犠牲になった8人の子供の名前は _______(伏せますね)聞いたことあるろ?(俺らは知ってる名前です。でもいえません、ほんとにごめんなさい)」

M「で、効果はAに言ってたようなものだ。女と子供を取り殺す。それも苦しみぬく形で。何故か、徐々に内臓が千切れるんだ、触れるどころか周囲にいるだけでね。そして、その効果を目の当たりにした住民は、続けて箱を作ることにした。住民が自分たちのために最初に作った箱はチッポウだった。俺が祓った奴だな。7人の子供の…箱…」

M「わずか2週間足らずの間に、15人の子供と、女1人が殺されたんだよ。今の時代じゃそうそうないだろ?…ひどいよな…」

M「そして、出来上がった箱を、△▼の庄屋に上納したんだ。普通に住民からの気持ち、誠意の印という名目で。庄屋の家は…ひどい有様だったらしい。女子供、血反吐を吐いて苦しみぬいて死んだそうだ。そしてな、住民は△▼のお偉方達、△▼以外の周囲地域にも伝えたそうだ。今後一切部落に関わらないこと、放って置いて欲しいこと。今までの怨みを許すことは出来ないが、ほうっておいてくれれば何もしないということ。守ってくれるのなら、△▼へ仕事に出ている部落の者も、今後△▼に行くこともしないということ。そして、もしこのことに仕返しをすれば、この呪いを再び振りまくということ。庄屋に送った箱は、直ちに部落に返すこと。なぜ放置するのか、その理由は広めないこと、ただ放置することだけを徹底すること。そして…この箱はこれからも作り続けること。既に箱は7つ存在していること」

M「7つあるっていうのは、これはハッタリだったんだろうなと思う。そう思いたい…言い方は失礼なんだけど、読み書きすら出来なかった当時の住民にこれだけのことが思いつくはずは無いと思うんだが…AAの知恵だったんだろうか。△▼含め、周りの地域は全てこの条件を了承したらしい。この事件は、その一時期は周辺に噂としてでも広まったのだろうかな。すぐさま部落への干渉が一切止んだそうだ」

M「で、この部落の大人たちは、それでも作り続けたんだよ。この箱をね。すでにAAはどこかに行ってたらしいんだが、箱の管理の仕方だけは残していったそうだ。女子供を絶対に近づけないこと。必ず箱は暗く湿った場所に安置すること。そして箱の中身は、年を経るごとに次第に弱くなっていくということ。もし必要なくなった、もしくは手に余るようなら、○を祭る神社に処理を頼むこと。寺ではダメ、必ず処分は○を祭る神社であること」

M「そして、住民たちは13年に渡って箱を作り続けたそうだ。ただ、最初の箱以外は、どうしても間引きを行わなければならない時にだけ、間引いた子の身体を作り置いておいた箱に入れた、ということらしい。子供たちを殺すとき、大人たちは△▼を怨め、△▼を憎め、というようなことを言いながら殺したらしい。殺す罪悪感から少しでも逃れたいから、△▼に反らそうとしてたんだろうな…」

M「箱を作り続けて13年目、16個目の箱が出来上がっていた。イッポウ6つ、ニホウ2つ、ゴホウ5つ、チッポウ3つ。単純に計算しても、56人の子供…作成に失敗した箱もあったという話だから、もっと多かったんだろうな」

M「そして、13年目に事件が起きた。その時、全ての箱は1箇所に保管されてたんだが…ああ、もちろん監視を立ててね。そして事件が起きた。11歳になる一人の男の子が監視の目を盗んで箱を持ち出してしまった」

M「最悪なのが、それがチッポウだったってこと。箱の強さは、イッポウ<ニホウというふうに数が増えれば強くなる。しかも出来上がって間もないチッポウ。箱の外観は分かるよな…Sが楽しく遊んだっていうように、非常に子供の興味を引くであろう作りだ。面白そうなおもちゃを手に入れた男の子は家に持ち帰り、その日のうちに、その子を含め家中の子供と女が死んだ」

M「住民たちは、初めて箱の恐怖を、この武器が油断すれば自分たちにも牙をむくということを改めて痛感した。そして一度牙をむけば、止めるまもなく望まぬ死人がでる。確実に。そして恐怖に恐怖した住民は箱を処分することを決めたそうだ」

M「それからは大体分かるよな。代表者5人が俺の家に来たんだわな。そして、俺の先祖に処理を頼んだ。…しかし箱の力が強すぎると感じた俺の先祖は箱の薄め方を提案したんだ。それはJさんの言った通りの方法」

M「そして、決して約束の年数を経ない箱を持ち込まないこと。神社側からは決して部落に接触しないこと。前の管理者が死んだ後、必ず報告をすること。箱ごとの年数は、恐らく俺の先祖が大方の目安…箱の強さによって110年とか、チッポウなら140年ほど。箱の管理から逃げ出せないよう、そのルールを作ったんだ。で、班毎に分かれたあと、一人の代表者を決めて各班にその代表者が届けた。そしてどの箱をどの班に届けたかを俺の神社に伝え、俺の祖先が控えた後…その人は殺される」

M「これでどの箱をどの班がどれだけの年数保管するのかは分からない。そして、班内以外の者同士が箱の話をするのをタブーとしたそうだ。なぜ全体で管理することにしなかったのかは、恐らくだが…これは俺のじいちゃんが言ってたんだが、全体で責任を背負って責任が薄まるよりも、少ない人数で負担を大きくすることで逃げられないようにしたんじゃないかな?」

M「で、約束の年数を保管した後、持ち込まれた箱を処理したと。じいちゃんの運の悪いところは、約束の年数ってのがじいちゃんとおれのひいじいさんの代に、もろ重なってたってことだ。箱ごとの約束の年数っていうのは、法則とかさっぱり不明で、他の箱はじいさんの代で全部処分できたんだが、チッポウだけはやたら長くてな、俺の代なんだよなぁ…まだ先だと思って何もやってなかったけど真面目にせにゃ…」

M「これで全部だ。箱に関すること。俺が知ってること。そして、俺が祓ったチッポウは、最初に作られたチッポウだってこと」

それと、Mはさっき電話で

M「箱の年数はどうやって決めたのかは分からない。俺の先祖が箱について何かしら知ってたのかも知れないし、AAという人物からそういう話があったらそうしてくれと頼まれていたのかもしれないな」

と言ってました。

以上が昨日の夜の出来事です。
もうね、三文小説のネタにでもなりそうなお話で、現実に箱事件を目の当たりにした俺も、何がなにやらで混乱してます。
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