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迷惑だろ 他




【迷惑だろ 他】

作者不詳。
地域不明。


迷惑だろ
携帯からすまん

昨日、どうしても寝れなくて3時頃まで起きてたんだ。
ちょうどタバコも切れたから買いに行こうと思ったんだけど、歩いて一分かからん所にある自販機が、自分のタバコだけ売り切れになってて、他のを吸うのも嫌だったから、ちょっと遠い自販機までバイクで行くことにしたんだ。

他にも近くに自販機はいくつかあるんだけど、自分のタバコは売ってない。
バイクで5分ちょいくらいなんだけど、途中で橋を渡らなきゃならん。
その橋ってのが所謂自殺スポット。

自殺があったのは5件くらいなんだけど、田舎だから本当か嘘かもわからん噂が広まってて、そりゃもう不気味。
行く時はまだ車とか通ってて、安心してたんだが、帰り道には車も何も通らなくて、虫の鳴き声だけが響いてた。

あまりに怖すぎて、つい『こんなとこで自殺すんなよ…迷惑だろ…』ってつぶやいちゃったんだ。
そしたら急に橋の下から風の音なのか人の声なのかわからん音がめっちゃデカい音で『おぉぉぉぉぉぉ!!!』って…
半泣きで家まで無我夢中で帰った。

5分の道のりが一時間くらいに感じた。
家着いて、家中の鍵という鍵は全部しめて、家中の電気つけて、落ち着くために一服。
ふと携帯を開いたら、不在着信が28件入ってて、全部非通知。
本気で泣いて、本気で謝った。

今日その橋まで行って、花添えてきたけど、近所のDQNがお供えしてたものとか全部滅茶苦茶にしてて、うるさい音響かせてバイクでウロウロしてた。

俺のバイク、低騒音仕様でよかったなって思った。

なんかすまん。
でも自分的には死ぬほど洒落にならんかった。

ビール瓶
昔、新宿の伊勢丹デパートでバイトしていた時の本当の話。

仕事を終えてJR新宿駅に向かって歩いていたとき、ちょうど映画館(コマ劇場のあるほうでなくて靖国通り沿いにあるほう。
1Fにウェンディーズがある)の裏手に差し掛かったところで、

ヒュンッ

と風を切る音が、俺の真後ろ、距離でいうと5センチくらいのところで、した。
そして、遅れて俺の右足のふくらはぎの後ろに鈍痛。

さらに数瞬遅れて、俺の周囲にガシャーン! ガシャーン! というまるで、ビール瓶がアスファルトに当たって割れるような音…
…まるで、じゃなくて、どこかのバカちんが俺に向かってビールの空き瓶を投げつけやがったのね。
しかも、5、6本。

弾道が真上からだったから、おそらく、映画館のある雑居ビルの5Fくらいから下で歩いていた俺を狙って投げつけたんだと思う。

ふくらはぎの後ろにビール瓶が直撃したのは、俺の脳天を狙っていたところを「わずかに」狙いが外れたということらしい。

0.1秒でも歩くのが遅れていたら、脳天にビール瓶が直撃して死ぬところだったというまぁありふれた話でした。
後で思い返して怖かったのは、ビール瓶が直撃して死んでたかもしれないことより、その後、一人でこのビルに怒鳴り込んでいったこと(本当)だな…
ヤクザとか●●人が出てきたら、俺どうするつもりだったんだろうね…

神社
小学生低学年の頃、学校終わると神社で遊んでた。
その神社は林に囲まれてて鳥居くぐった先の、かなり長い階段登った場所にあるからいつ行っても人はいなかった。

静かな場所で、苔のついた石碑や、くたびれた木の社があって、時間が切り取られたみたいなおおらかな雰囲気が大好きだった。
社に座ってボーっとしてると、さわさわ葉の擦れる音が響いて凄く落ち着いたんだよね。

ある日、いつものように神社行こうとしたら階段にどんぐりが置かれてる。
不思議に思いながら階段を昇って神社につくと、先客がいた。
いつも座ってる社の椅子に、同じぐらいの子供がいるんだ。
見たことない子だった。
遠目から見て顔色の悪い子だなぁって思った。

そいつは俺に気付くと笑って、おいで、おいでって手招きしだした。
俺は人見知りな性分で、どうしようかって暫く迷ったまま神社の入り口で立ち止まってたんだ、5分くらいかな。
その間そいつはずーっと同じ動作でおいで、おいで、してるんだよ。

表情は笑顔のまま変わらないんだけど、それがずっと見ている内に笑ってるんじゃなくて怒っている顔に見え初めて気味が悪くなった。
だから、無視して帰る事にしたんだよね。
階段を降りようと、きびすを返すとき、視線の端でそいつが笑顔のまま立ち上がったのが見えた。
追いかけてくるなって思った。
階段を降りる途中、背後から気配がして悪寒が凄かった。
すぐ後ろに、何もいわずそいつがついてきているのがわかる。

振り返るのが怖くてびくびくしながら階段を降りた。
一段降りる度にどんぐりを踏む音が後ろから聞こえるんだよね。
全部降りきって、鳥居をくぐった時には泣きそうになった。
家までついてきたらどうしようって。

何歩か歩いて、恐る恐る階段を振り向いた。
鳥居には、誰もいない。ホッとして階段を見上げた時にぎょっとした。
神社の入り口の最上段から、青白いおっさんが俺を憎そうに睨みつけてるんだ。
服をめくりあげて、そこにどんぐりを貯めたおっさんがね。
走って家に帰って二度とその神社には行かなくなった。

本当の殺意
厨房の頃で、もう17年前です。

クラスにおかしい子(仮にA子としよう)がいて、虚言症というか嘘ばっかついてた。

「彼氏がねー、私のこと可愛がってくれてー」

とかいつも話すんだけど、そいつ『ブス』で、彼氏が勿論いないのはみんな知ってた。
だから、誰にも相手にされず、友達も無し。
そのくせ、友達でもない人に馴れ馴れしく話しかけるんだよ。
俺も話しかけられた事がある。
無視したけど。

A子がある日

「私妊娠したの」

等と触れ回ってる。
まあ、周りはいつもの事と笑ってたけど、それが一週間くらいA子が学校休んだと思ったら、子供の人形を抱えてきて、

A子「ほら、見て、私の赤ちゃんよ」

A子「おーよしよし、可愛いね」

とかやってる。
周りはドン引き、もう腫れ物にでも触れるように、誰もがA子に接する。
数学の時間、数学の先生がA子のバックからはみ出している人形を見て、

先生「なんだこの人形?」

A子「私の赤ちゃんです」

その瞬間、まわりの空気が凍りついた。
先生はどう返すんだろうと皆がヒヤヒヤ見守ったら、

先生「はっはっは。そうかそうか」

先生はA子を良く解ってなかったから、ユーモアと思ったようだ。
A子の赤ちゃん騒ぎにも周りが馴れ、落ち着き始めた時、均衡を破る事件が起きた。
隣のクラスの、ケンカばっかやってるDQNが、話を聞きつけやってきて、

DQN「お前、赤ちゃんとか馬鹿だろ、あーん」

と周りがあえて触れない事に突っ込んだと思ったら、いきなりA子の人形を掴んで、窓から放り投げた。
周りの人間は真っ青。

その瞬間である。
A子が絶叫したかと思うと、

A子「この人殺しいいいいいfgjsd;:、g。・がshklfj」

と訳の解らない事を叫び、DQNに掴みかかる。
ガラガラガラシャーンとぶっ倒れる机。
A子はDQNの首を本気で絞め、相変わらず叫び続ける。
目は釣り上がり、歯は剥き出し。

A子「死ね亜bfs打叙hfwjかあf「slkfws」

「あっDQNが死ぬっ」と思って、周りの奴らで止めたんだが、もう酷いね。
A子は本気だから、もうまるで女の力とは思えない。
5、6人でやっと押え付けた。
DQNは茫然自失。
首絞められて内出血したのか顔が真っ赤。
首にはA子の親指の痕が、紫色にくっきりとついていた。
A子は警察が連れて行って、それ以来、登校してこなくなった。
やっぱり、精神病院に入院させられたのだろうか。
生まれて始めて見たよ。
たぶん、100人に一人でさえも、一生に一度見れないんじゃないかな。

人が本気で、人を殺そうとしているところ……

おどって
一年くらい前に誰かがテレビでしゃべってた話。

ある女の子が夢を見ていた。
夢の中で女の子は家の階段を登ってる。
すると誰かに足を掴まれた。

振り向くと皺くちゃの顔した老人が物凄い形相で

「あああって!、あああって!」

と、わけのわからない事を喚いてる。
女の子はそこで目が覚めた。
気持ち悪い夢だなって思いながら台所に行くと、母親が喪服姿で慌ただしく朝食の準備をしている。

「ほら、あんたも早く準備しなさい!」

どうやら親戚の通夜に行くらしい。
軽く朝食をとって通夜に行くと、線香をあげるよう母に言われた。
座敷に行き、遺影を見た瞬間驚愕した。

なんと夢に出てきた老人だったのである。
そのことを親戚の人たちに話すと

「○○ちゃんは覚えてないだろうけど、あのおじいちゃんにバレエシューズ買って貰ったり可愛がられてたのよ」

「ちょっと遊びに行ったのかもね」

という事を言われた。
そう言えばずっと前バレエを少しやっていた記憶がある。
ひょっとしたら

「おどって!おどって!」

って言っていたのかも。

その日の夜、また同じ様な夢を見た。
同じように足を掴まれ

「あああって!あああって!」

と喚いている。
女の子は

「ごめんねおじいちゃん…、私もうバレエやってないの、本当にごめんなさい…」

と言って、冥福を心から願った。
しかし、その老人はまったく聞く耳持たずに

「あああって!あああって!」

と喚き続けてる。
女の子は困惑しながらも、老人の言葉を聞き取ろうと試みた。

「あああって!」
「ああわって!」
「かわって」

うさぎさん
この話を友人にしたら、一瞬固まった後、失笑された…
でも当事者の俺としてはけっこう気持ち悪い。
今年6月で3歳になった娘の話。

子供にはよくある事なのだが、想像上の友達がいる。
よくでてくるのは、「パンダさん」、「たぬきさん」、「うさぎさん」。
「パンダさんはまだ赤ちゃんなの」とか、「おもちゃを散らかしたのはたぬきさん」など言う中で、「うさぎさん」だけが何か引っかかるものがあった。

よくよく考えてみると「うさぎさん」の場合、他と比べて具体的な表現をするという事に気がついた。
「うさぎさんはおねえちゃんだから、上手にお箸がつかえるのよ」
「うさぎさんは今、ベランダでお花みてる」など。
ある時、娘が1人でピアノをおもちゃにして遊んでいた。
良くある事なので気にもしてなかったが、気がつくとたどたどしいが、ちゃんとメロディーになっている。

ド・・レ・ミ、ド・レ・・・ミ  

チューリップだった。
ピアノを習わせてる訳ではないし、俺も嫁も特に教えてはいない。
不思議に思って聞いてみると、「うさぎさんが教えてくれた」との事。
さすがにちょっと不気味になって娘に聞いてみた。

俺:「うさぎさんってどんな子?」

娘:「えっとねぇ、耳が長いの」 (それは想像がつく)

俺:「じゃあ、こんな子?」 (絵本のデフォルメされたうさぎのイラストを見せる)

娘:「ちがう」

俺:「じゃあ・・・、これは?」 (今度は本物のうさぎの写真)

娘:「ちがう」

その後色々聞いてみるが、まだ語彙も少なくよくわからず。
娘本人もうまく伝わらないため、イライラし始めたのでその日はやめにした。
1つだけ判ったのは白じゃなく、黒うさぎだという事。
それから数日後の事、娘が興奮して走ってきた。

「これー!、これー!」

1冊の雑誌を持って叫んでいる。

「何?」

聞いてみると雑誌の写真を指差し、

「これ、うさぎさん!」

「えっ・・・。これがうさぎさん?」

「そう。」

と娘は満足げ。
その写真は、にっこり微笑むバニーガールのおねえさんだった。


心霊写真
オカ板の住民なら「零」というゲームを知っているよね?
幽霊を写せる特殊なカメラを使って悪霊と戦う謎解きゲームみたいなやつ。
それがひとつの発端ともいえる話を、嫁がしてくれた。

オカルトマニアの嫁が大学時代のこと。
嫁と同じサークルに入っていた男で、少し変わった奴がいた。
周りの人間を見下すような態度が多く、場の空気を読まない毒舌家でもあったため、嫁やサークルメンバーからは敬遠されていたそうだ。
そいつは嫁に気があったようで、しばしば彼女にちょっかいを出してきたらしい。
その日も嫁の気を引くため、次のような幽霊話を振ってきた。

・昔の人が言ったように、カメラには魂=エネルギーを吸い取る効果がある
(彼によれば、写真はエネルギーをもぎ取って紙に焼き付けた物らしい)
・肉体があれば失ったエネルギーは回復できるが、純粋なエネルギー体である幽霊には相当なダメージとなる
・よってカメラを使って除霊する「零」のシステムは非常に合理的

箸にも棒にもかからぬ話と一笑に伏した嫁の態度にカチンと来たか、男は

「じゃあお前のために心霊写真撮ってきてやるよ!」

とどこかへ行ってしまった。
だが彼の大言壮語はいつものことなので、誰も期待していなかったそうだ。

数日後、男はおかしな写真を持ってサークルに顔を出した。
俯き加減で暗い表情の若い女がカメラを睨んでいる。
フラッシュはたいていたようだが、背景は黒くてほとんど何も見えない。
率直に言って、「零」で撮る幽霊写真のパクリとしか思えない代物だった。
…つまりどうみても偽物。

男は興奮気味に幽霊を取る際の武勇伝を語るが、彼が行った廃墟は、心霊スポットでも何でもないただの空き家。
結局誰も写真を称賛せず、彼は法学部の奴に説教されただけだった。
それが不満だったか、彼は写真を焼き増しして色々な出版社やTV局に送ったが、どれも送り返されてきて、以後は梨のつぶて。

大量の焼き増しの処分に困ったのか、男はメンバーに写真を押し付け始めた。
大抵の者はゴミ箱に直行させたが、嫁は

「偽物としても上手に作ったな」

と、冗談半分に保存しておいた。
数カ月が過ぎ、皆が写真など忘れたころ、自宅の火事で男が亡くなった。
火元は彼の部屋だったそうだ。
たとえ普段はウザいと思っていても、知っている人間が死んだというのは相当なショックらしく、サークルメンバーはお互いを慰めながら、彼の思い出話などをしていた。

その流れで嫁が例の写真を取り出したところ、真っ黒だったはずの背景に赤い光がさしていて、その光の中に、真っ黒な物がいくつもいくつも折り重なっている。
その形はどうみても人間であり、見ようによっては炎の中の黒焦げの人間。
女は相変わらずそこに立っているが、光のせいでその女が透けていることが分かった。
嫁はパニックになったのか、翌日その写真を廃墟に投げ捨ててしまった。

さらに数ヵ月後、その空き家は不審火で焼け落ちた。
出版社ってのは、送ったものを律義に送り返すものなのか。
写真は本物の心霊写真だったのか。
火事と写真にどれだけの因果関係があるのか。
嫁はそんなことを言って首をかしげていた。

そして、最近霊感の強い友人にこのことを話したところ、こんな返答があったらしい。

「その女はなんの力もなく、ただそこに『居た』だけだったのに。写真がエネルギーを紙に焼き付けるとまで分かっていたなら、なぜそれを焼き増ししようなんて思ったのか。何も手を出さなければ、その女は永遠に無力でそこに『居る』だけの存在だっただろうに」

蛇足だけど、廃墟の火事の少し後、サークルの人がその家のことを調べたそうだ。
元々その空き家に住んでいたのは年配の夫婦で、独立して家を出た娘さんを火事で亡くした後、引っ越していったのだそうだ。

狐憑き
今年の1月頃。
いつもと同じく仕事を終えて、電車に乗っていた時。
吊革を握り、ふと目の前座席に座っている人に視線を向けると、1人嫌な気を放っている男性がいる。

まだ若い人だけど、全体的に覇気が欠け、眼がうつろの状態。
疲れているのかな…という印象だったが、ふと表情を見るとやけに眼がつりあがっている。
つり眼でも、ここまでの人ってあまり見たこと無いなあ。
ただそう感じました。
でも、じろじろ見るのは失礼だなと感じ、視点をそらそうとした時。
私の前でその若い男性の顔が、狐の顔にすりかわりました。

眼がものすごくつり上がり、ニヤニヤと薄気味悪い目つき。
そして、両方の口端が、目の辺りまで一気に裂け上がり、私の目を凝視してニタリと笑いました。

あまりの気持ち悪さに、声こそは出さないものの、やや後ろへ体がのけぞってしまいました。
狐の目つきは、若い男性の目つきそのものでした。
その男性はすぐ電車から降りていきました。
降りていくときには、狐の顔から人の顔に戻っていました。
あれが狐憑きといわれるものかは分かりませんが、二度と視たくないと思いました。

二十歳の時に死ぬ
自分の実体験から一つ。

俺はいわゆる甘えんぼ、というやつで小学校高学年くらいまで夜寝るときは父親のベッドで一緒に寝ていた。
ある夏の夜、いつものように父と一緒に寝ていたのだが、夜中に急に目が覚めてしまった。
トイレに行きたくて起きる、とかではなく完全に覚醒する感じ。
窓の外はジーっという虫の声と月明かりが照らす幻想的な雰囲気。
窓から月を眺めながらボーっとしているとあることに気がついた。
…窓の外から男の低い声でボソボソ喋る声が聞こえるのだ。

我が家は新興住宅地で窓の外は3mほど離れて隣の家。
最初は隣の家の人が起きてるのかなーなんて考えていたが、耳を澄ますとその声がかなり近くから、しかもどうやら一人で喋り続けているのに気づく。
父の寝室は2階。
父は隣でかすかにいびきをかいて寝ている。
我が家には父以外にそんなに低い声を出せる人間はいない。

意識を集中して耳を澄ませる。
だんだん喋っている内容がところどころ聞き取れるようになったとき、全身に鳥肌が立った。
声は窓のすぐ下から聞こえてきている。
人が立つスペースなんてありはしない。
そして何より恐怖だったのはその男が自分の名前を呼んでいるではないか!

「…○○……○○……」※○○は自分の名前

低いというよりはしゃがれて潰れたような声。
そして断片的に聞き取れたのは以下のような内容だった。

「…お前が……二十歳の時………死ぬ……だから…………」

これを男はずっと繰り返し繰り返し窓の外から自分に向かって語りかけていたのだ。
気がつくと意識を失ったのか、眠ってしまったのか朝になっていたが、窓の外の男の声ははっきりと覚えており、子供だった自分はあれは死神だったんだ自分は二十歳で死んでしまうんだという妙な納得をしていた。

その後その男の声がまた聞こえることはなく月日が流れ、中学生に上がる頃にはその窓の外からの語りかけは仲間内で自分の体験した恐怖体験ネタとしてよく使っていて

「俺二十歳で死ぬらしいよwww」

なんて言っていた。

更に時は流れ、成人式を迎える年の冬、祖母が癌で亡くなった。
煙草などは全く吸わない人だったが、肺癌だった。
俺は喪服を持っていなかったため、成人式の為に作ったスーツで葬儀に参列した。
夏になり、祖母の法要?のために両親だけ帰省。
3日後両親が帰ってくるなり深刻な顔をして話をしている。
なんだ?遺産相続で揉めてんのか?と聞き耳を立てているとどうやら違う。
どうやら法要で親戚が田舎の庭先で集合写真を撮影したそうなのだが、そこに写ってはいけないものが写ってしまったらしいのだ。
集合した皆の後ろにある石灯篭。
そこに、明らかに顔と分かる、だが人ではない般若のような形相の'何か'が写ってしまったらしい。

その灯篭は子供の頃祖母の家に遊びに行った時に見たことがある。
苔むしてかなりの年月の経過を伺わせる灯篭だった。
法要に来ていた住職にその写真を見せるなり、住職は祖父にこう言ったそうだ。

「あの石灯籠、どこから持ってきた?…相当怒ってるぞ。アレは供養塔だ」

聞けば数十年前に祖父が田んぼの拡張をした際、灯篭が邪魔だったので庭に勝手に持ってきてしまったらしい。
何の供養塔かは分からないが合戦地が近いので落ち武者でも祀っていたのか。

その話を聞いて小学生だった自分が体験した男の語りかけの意味がわかり、改めて背筋が寒くなった。
二十歳の時に死ぬのは自分ではなく祖母だったのだ。
あの男の声はそれを予知していたのだ。
聞き取れなかった部分をもし、もっとちゃんと聞きとれていたら、
祖母はもう少し長生きできたのかもしれない。
祖母にも申し訳ないが、わざわざ注告しにきてくれたのに、応えられなかったのが申し訳なかったと今でも思っている。
そもそも誰だったのかねぇ…?供養塔の人?ご先祖様?
今となっては零感の自分だが、唯一の心霊体験でした。

ちなみに写真と灯篭はお寺で供養してもらったそうです。
勝手に供養塔を移動した母方の実家はやはり祟られていたのか、長男が腸捻転で幼いときに亡くなり、次男がうつ病で自殺、三男は子供が生まれると同時に奥さんが逃げる、四男は離婚2回、3回目の結婚相手が祖父をいびり倒すといった男系に不幸が重なる家柄となっています。

そんなに怖くはないかもしれんが、以上実体験。
長文&駄文ですまんかった。

コの字の家
お盆なので中学時代に体験した事を書きます。

私の家は都市から少し離れた町にあり、日本家屋が立ち並ぶ場所にありました。
近所の噂では(両親は否定しましたが)元女郎宿を改築した家らしいです。
(改築したとはいえ、かな古い家でしたが)

その家は丁度カタカナの(コ)の字をしていて2階建てでした。
コの字の空白の部分は中庭になっていて、1階の中庭に沿っている廊下から庭に降りれました。
2階も中庭を見渡せるように窓付きの廊下が沿っていました。

さて、私は夏休みコの字でいう、縦棒の2階にある暗い広い和室で宿題をしていました。
ここは涼しくて勉強がはかどるのです。
両親は買い物に行き私は留守番も兼ねてました。

朝の九時から一時間くらいしたところでしょうか、私はトイレにいきたくなりました。
トイレは一階と二階にありどちらもコの字の下の横線の端っこにありました。

私は中庭を見渡せる廊下を通って二階のトイレで用を足し、トイレから出ました。
その時私は何気なく窓を見ました。
そこからは中庭をはさみ、コの字の上の横線の端っこにある物置部屋が見えるのです。

なんと物置部屋の襖がガタガタ揺れているのです。
私は泥棒だと思いました。
朝から大胆だな~と思いながらも、実際はとて怖くて足がすくんで動けませんでした。
私はどうするべきが迷いながも泥棒が出くるところを見て、顔を見てやろうと思い、もう一度トイレに入ってドアを少し閉めて隙間から正面の物置部屋を覗いていました。

その時です、私は一生忘れられない光景を見ました。
ガタガタ揺れていた襖がピタリと止まったかと思うと、突然スーと開いて中から女性が出てきたのです。
女性は上半身は裸で真っ白い肌が印象的でした。
下半身は着物みたいなのを巻いていました。
髪はボサボサで全体的に気だるそうでしたが、目だけは血走っていた様に思います。

私はほんとうに腰を抜かしてしまいました。
どう見てもこの世の者とは思えなかったからです。
それに近所の噂になってる「この家は元女郎宿」という事も思い出しました。

その女幽霊?は宙を睨んでいたかと思うと急に歩き出しました。
速度はゆっくりでした。
じっと見ていると、なんとコの字の廊下を沿って歩いてくるのです。
このままではこちらがわのトイレに来てしまいます。

しかし腰を抜かして動けません。
女幽霊は歩いてきました。
そして、コの字の縦線の宿題をしていた和室まできた時に突然スーと和室に入りました。
私はチャンスだと思い、自分に気合を入れトイレを出て中庭に飛び降りようと決心しました。
(そんなに高くないし、夜遊びする時はよく飛び降りていたので)
そして、ドアをソローと開けた瞬間でした。

女幽霊が和室から凄い勢いで飛び出てきました!
そして窓越しに私の姿を見たとたん凄い勢いでこちらに走ってきました。
私は殺されると思い、窓を開けて大ジャンプをして飛び降りました。

着地に失敗しましたが、かまわず玄関に向かいました。
女幽霊が2階から降りてくると思ったのです。
私は外に飛び出すと、向かいの祖母の家に転がり込みながら

「おばあちゃん、おばあちゃん幽霊がくるー!」

と叫びました。
祖母は凄い勢いできてくれました。
私の異常な状態にすぐに気づいてくれたのか、玄関を閉めて私を引きずるように家の中に入れてくれました。

私は今みた事を震えながら話すと、やさしい祖母の顔が段々と険しくなっていきました。
そして、台所に行き塩の壷を持ってくると、私を連れてコの字の家にいきました。

祖母はダダッと二階に駆け上がり、物置部屋まで行くと中に向かって

「なにしよるんや!この子に手だそうとしたんか!この子に手だしてみぃ私が承知せえへんで!わたしの前に出てきてみんかい!塩まいたるわ!」

と叫びました。
その時、部屋の中でガタガタと音がしてすぐにやみました。
祖母は

「もう大丈夫よ怖かったやろ~」

と言って両親が帰って来るまで一緒に家にいてくれました。
その時に私は色々聞いたんですが。
祖母はニコニコしながら

「わたしも、ようわからんけどこの家はアレやったからな~」

と言いました。
私は

「やっぱりこの家は女郎宿だったのか」

と思い、それ以上は聞くのをやめて二人で高校野球を見てました。
それから、その家では何も起こりませんでしたが私が高校に入ると同時に引越しをしました。
祖母は車いす生活になりましたが今でも元気です。
怒った顔はアレ以来見ていません。
コの家は取り壊されたました。
取り壊すとき解体業者の人が何人かケガしたみたいです。

土管の向こう側

おれも実話を。

ガキのころ毎年夏になると田舎へ行ってたんだ。
真夏の日差しが暑いけど、毎日外で遊んでたりした。
ある日、近くの幼稚園にいって遊んでたら、
細い土管のような太いパイプのようなものを見つけたんだ。

頭ひとつ入るくらいの土管。
俺は都会育ちだから、そういう田舎らしいものを見かけたらそれで遊ばずにはいられなくて、それを覗いてみた。

おれは勿論幼稚園の壁が見えるだけだと思ってた。
奇妙な土管の中から見えたのは、周囲に似つかわしくない、暮れの畑とお地蔵様だった。
土管の先は夕方で、今いる場所は真昼なんて意味がわからなかった。

お地蔵様は不思議な表情で、たたずんでいた。
俺はその景色に魅入ってしまいずっと見つめてた。
そしてふと自分の方の世界へ顔を向けると暗くなりかけていた。
土管の世界の景色は変わらず夕方だった。
時間が存在しない様に思えた。

その日は帰って、次の日も土管の所へ行った。
その先には勿論幼稚園の壁が見えた。
不思議な時間だったな。

霊感
霊感があると言う知人の話。

彼女曰く、霊感と言うは遺伝的なものらしい。
彼女の母方の家系では稀に霊感を持つ女が生まれるのだと言う。
彼女が子供の頃の事、母方の祖父の初盆で本家に帰省した時の事だそうだ。

居間の座敷の片隅に一人の女性が座っていたと言う。
親戚の伯母さんかと思ったがこれまで見かけた事が無かった。
彼女の両親も、親戚の人も、従姉妹も、その女性とは話をしないので、おかしいなと思いつつも彼女はその女性が気になりチラチラと見ていたそうだ。

そんな彼女に気付いた祖母が彼女を自室に呼び話をしてくれた。
母や叔母、そして従姉妹達には見えないようだが、祖母にもその女性が見えると言う事。
その女性はもはや生きてはいない人である事。

これからの人生、他の人には見えないが彼女だけには見えるモノが現れるがその様なモノ達は決して彼女に害を与える事は無いので心配はいらない。
見えぬ振りをしていたらいつの間にかいなくなってしまうと言う事。
そして決して話しかけてはならないと言う事。
そんな見える者だけが知っておけば良い事を話してもらったと言う。

夕食を終え、男達がほろ酔いで従姉妹達と花火を、女たちは台所で夕食の後片付け、居間に彼女とその女性だけとなった時、女性は人を探すかの様にキョロキョロとしていたので彼女は思わず

「おばあちゃんを探しているの?」

と声を掛けてしまった。
女性は彼女に向きなおると微笑みながら無言でわずかに頷いた。

「おばあちゃんは台所よ。洗い物をしているの」

女性は腰を浮かし台所のほうをちらりと見ると再び彼女に向き直り、洋服のポケットからお菓子の様なものを取り出して、これをあげましょうと言う仕草をした。
彼女はその時、まったく怖くは無かったと言う。
と言うのも、母より少し年上だろうか女性は綺麗な人でとても優しそうだったと言う…

女性からお菓子を貰ったところまでは覚えていたが、その次に彼女が気付いた時には親戚一同が不安そうに彼女を見ていたと言う。
詳しく事情を聞くと、祖母が井戸に何か大きなものが落ちた音を聞いたので不振に思い覗いてみると彼女の足が水面から突き出されていたのが見えたと言う。

あわてて皆を呼び、男達が彼女を井戸から引き上げ水を吐かせたところだったそうだ。
言われるように彼女は全身がずぶ濡れになっていたそうだ。

そして。
彼女が大人になり世の中の好い事と悪い事そして人を許せる余裕をホンの少し持てるようになった頃に、祖母がやっとあの時の事情を説明してくれたそうだ。
あの女性は祖母の息子、つまり母の兄の浮気相手であったらしい。。
伯父に捨てられた女性は自殺してしまったそうだ。
祖母に見えた時には女性からは悪い意識は感じなかったと言う。
だから、祖母は無視をしていたし彼女にも警告は与えなかったと言う。

「あの人はただ、あたしの息子に会ったら、静かに消えるつもりだったんだと思うんだよ。それが息子は妻子と楽しそうにしていた、悲しかったんだろうね…出来心でその場に一人でいたお前を井戸に突き落としたんだね…関係ないお前は、とばっちりを受けて面白くは無かっただろうが許してやっておくれ…本当なら、うちの息子もあたしもあの人に呪い殺されても文句は言えない立場なんだよ…」

と彼女の祖母は頭を下げたと言う。


よくある話ではあるけれど、私が知る一族の実話。
とても長い話になります。

瀬戸内海に面するあるところで、その地域ではやや名の知れた商家があった。
だが、なぜかそこは男の跡継ぎに恵まれなく、もし男が生まれても早死にし、他の家から男の養子などもらって血を引き継ごうとするも短命で、ついに最後の跡取りも死に血が絶えた。

一族はそこへ何の脈絡も無い血筋の、竹細工職人の少年を養子へ迎え、新たに家を建て直そうとした。
養子の少年は、勤勉で懸命に商売にいそしみ、店は繁盛する。
少年は青年になり妻を娶るが、子に恵まれずに妻は早死にする。
再び妻を迎えるが、謎の変死。
やはり子は生まれず。

そして、三番目の妻を迎えた。
その妻は、実家から持参した仏具を祭り信心する、仏教の信仰が篤く美しい女だったが、かなり気の強い面もあった。
養子の男は、気は強いが美しい妻に惚れていたので、好きなようにさせた。
三番目の妻は早死にすることもなく次々と六人の子を授かり、そのうち二人が男で養子の男は跡取りが出来たことを喜んだ。

しかし、幸せはいつまでも続かなかった。
養子の男は、子供達が幼いうちに病死した。
主を失った店の使用人達は、ここぞとばかり金品を持ち出して逃げ、豪商の面影は無くなり一族は落ちぶれた。

残された妻は信心深いこともあり、次々と悪いことが起きるのは何か良くない因縁などがあるのではないかと思い、本土を離れたある地に神通力の強い僧がいる噂を聞きつけて家へ招き、一人の壮年の僧が、一族の家へ来た。

僧がお経を唱え終わると、妻に言う。

「落ち武者の霊がいる。源平合戦の時代の落ち武者のようだ。ここは昔、戦の跡地ではないのか」

それを聞いた妻は、青ざめた。
ここ区域一帯は、古代の源平合戦の時、瀕死の落ち武者達が陸に上がり、多くがそこで命絶えた場所であったからだ。

「多分、この土地で死んだと思われる落ち武者だろう。供養を受けたくて、この家に訴えている」

妻は早く祓ってほしいと言うが、僧は了承せず。

「祓うというのは、この幽霊を傷つけるということだ。私は数多くの成仏できない霊を見てきたが、祓われた霊達はそれは多くの傷を魂に刻み込んでいる。救われたいのに酷いことだ。あなたは仏教を信仰している。どうだろう、供養してみてはどうか。善業を積むと思って。私もできるだけ助勢しよう」

もともと信心深かったところのある妻は理解し、家の庭には落ち武者を供養する供養塔が建てられた。
妻はお経をあげて落ち武者の霊を供養し続け、それ以来その一族にはさして悪いことは起こらなくなった。
三番目の信心深い妻は、昔に老衰で亡くなったが、彼女は生前、何度も繰り返して子供達に言い聞かせた。

「よく聞きな。家を建てかえたりしても、必ず供養塔は移し変えて供養を続けるんだよ。幸せに平穏に暮らしたいのなら、そうしなさい。世の中には、人間の頭の中で考えること以外の不可思議なことがあるんだ。自分達の常識が、全てのことに通用するとは考えないほうがよい」

やがて瀬戸内海付近へ住む落ち武者の霊を供養する一族の家は新築されたが、亡き三番目の妻の言いつけどうり、屋上へ供養塔を建てている。
一族が途絶えず栄えているのは、亡き三番目の妻のおかげであると誰もが認識し、言いつけを守っている。
一族は安穏に暮らしている。
だが、なぜか生まれる子供は、男より女が圧倒的に多い傾向がある。

同区域一帯は、商家の一族以外でも様々な悪いことが後を絶たず、その家々ではやはり供養塔などを建て、子孫が供養を続けている。
迷信だと切り捨て、先代の言いつけを守らずに供養しない家は、不思議と商売が傾き破産したり、病気や早死にするなど、次々と悪いことが起きている。
落ち武者の霊を供養することが、安泰の方法。
それが、瀬戸内海の穏やかな海が見える地域での、災いを避けるための掟。

この掟が維持できないときは、再び辺りは惨劇が訪れるだろうとされている。
だが人は安泰な日々が続くとそれが日常だと錯覚するふしがあり、この掟がいつまで維持されるかは分からない。
でもその災いの元凶は、人自身が作ってしまった悪業。
これが私が知る一族の話。

この一族は、父の実家である本家の話です。
三番目の妻とは、父の母で私の祖母になります。
長い話のお付き合い、ありがとうございました。

追伸

実は母の先祖は、落ち武者だったりします。
戦に負けて山中に逃げ込んだので、母の実家は山奥にあります。
刀もまだ残っていたりする。

母の家系も男性の早死にが多く、跡取りが出来にくいという家系です。
奇妙にも似通った因縁家の血と血が混じり合い、一つに固く結びつく。
私は、これがただの偶然には思えません……。

這い寄る混沌
お前らオカルト好きなら知ってるヤツも多いと思うがクトゥルフ神話ってあるよな。
H.P.ラブクラフトが書いた作品群が後世そんな風に呼ばれるようになったものだが、それにまつわる奇妙なことがあって気になってる。

2年ほど前になるが、セカンドライフの日本語版サービスが公開されてしばらくたった頃。
ものめずらしさでやってたんだが、そこで「TheFacelessGod」なんていういかにもなファーストネームつけてるやつが居たんで、

「あーコイツもフリークか」

って思って話しかけた。
ここで簡単にラブクラフト知らないヤツに補足しとくと、
The Faceless God(無貌の神)ってのはナイアルラトホテップ(元々発音できない文字列に音を当てたものなのでニャルラトホテプ等の各種読みがある)って架空の神の別名。

コイツには他にもたくさん別名があって「這い寄る混沌」ってのが有名かな。
クトゥルフの旧支配者と呼ばれる恐怖をもたらす神々は、悉く幽閉されているんだが唯一このナイアルラトホテップだけが幽閉を免れていて、接触した人間に狂気と混沌をもたらし破滅させるっていう設定がある。

俺「なにやってはるんですか?こんなトコで。トラペゾヘドロンどっかいっちゃったんすか?」

相手(今後はニャルとする)「そうなんだ。おかげで誰にも喚んでもらえなくてね」

俺「だいたいなんでこんなトコに?」

ニャル「100年ほど前までは結構ブラブラしてたんだが、最近地球に来てなくてね。久しぶりに来てみたらこの様だ。ここは一体何処なんだ?」

こんな風に完全になりきりプレイをやってるようで、面白かったんでからかって遊んでたんだ。
なりきりやってるだけあって原作をかなり読み込んでるらしくラブクラフト作品にかなり詳しくて、なんだかんだで仲良くなったんだ。
その後、ラブクラフト好きのネットの友人2人にも紹介してそれなりに楽しくやってた。
このニャルは不思議なヤツで普通なりきりやってるヤツってのは多少はボロがでるもんだが、全くでなかった。
その上、不思議なことに俺らがいつ行ってもいた。
その当時は、この自宅警備員めwwwとしか思ってなかったんだが。

そんなこんなで数ヶ月が過ぎた頃に、ニャルが「ここから出たい」というようなこと頻繁に言うようになった。
その言葉を俺らはニャルがセカンドライフに飽きたんだなって解釈して、俺らもセカンドライフに飽きてきてたこともあり、

「俺らそろそろやめるわ。またどこかであった時はよろしくなw」

と別れを告げようとした。
そしたらニャルが

「餞別替りにプログラミングの基礎を教えてくれないか?」

と初めてなりきりっぽくない台詞を吐いた。
俺はそれをメシの種にしてることを以前話したことがあったからそれを覚えてたんだなって思って快く教えてやった。

それから時が経って今に至るんだが、3週間前に全く音沙汰のなかったニャルからメールが届いた。

タイトル:成果発表
本文:ありがとう。君達のおかげだ。

そのメールには添付ファイルでJavaアプレットが付いてたんだが、いかにも怪しい。
ウィルスチェックをかけてみたんだが、結果はウィルス検出無しだったんで、

「まさかまだパターンファイル化されてない新種仕込んでることはないだろ」

と思ってそれを実行してみた。
ブラウザで実行した結果は"Hello world"だった。

気になって当時一緒にセカンドライフやってた2人に聞いてみたら同じメールが届いてるとの事。

「おいおい2年もかけて"Hello world"はねぇだろw」

とその時はみんなで笑ってたんだが、メールが来てから1週間が経った頃(2週間前)。
友人の一人が

「ニャルの"Hello world"の意味がわかった」

というメールを最後に連絡が取れなくなった。
それからさらに1週間後(1週間前)、二人目の友人が

「炎のように燃え上がる3つの目が…」

というメールを残して連絡が取れなくなった。
二人の友人はオンラインでだけの友人だから、ニャルのメールに便乗して俺をからかってるだけだという可能性が高いんだが、今日で丁度二人目の友人が居なくなってから1週間目だ。
"Hello world"ってよく考えると凄く怖い言葉だよな…

山の廃校
長くなるのに携帯からで、見難かったらスマヌ。
俺が小学生の頃だから、今から10年以上前の話だ。
その時、俺は家族でF県I市にある、母方のばあちゃんの家に泊まりに行ってた。

ばあちゃんちに行くと、俺と2つ上の兄はよく叔父が飼っている猟犬のダルメシアン(名前はコテツ)を借りて、山を探検していた。
コテツの首輪には発信器がついてたから、うちの両親もコテツが一緒なら大丈夫だろう、という感じで俺達を自由に遊ばせてくれていた。

そんな俺達が、絶対に近づくなと言われている場所があった。
ばあちゃんちから1~2キロぐらい離れていたところにある家だ。
その家はボロボロの平屋で、とても人が住んでいるようには見えなかった。
でも、人は住んでいた。
名前が喜一(漢字が合ってるかは分からない)という、70才くらいのアル中のジジイとその奥さんである老婆。
老婆は、たまにばあちゃんちに逃げてくることがあった。
酔った喜一が暴力を振るうみたいで、確かに老婆の目の上が大きく腫れ上がっていたのを覚えている。

それを、怒鳴り声をあげながらナタを持った喜一が探しに来たことがあった。
ばあちゃんは、「知らない」と軽く流して老婆を匿っていた。
そういった事があったから俺達は子ども心に、あの喜一というジジイが危ない人間である事、だから親や親戚は近づくなと言ってるんだという事を理解はしていた。

それでも、俺達はその言い付けを守っていなかった。
理由は喜一が二頭の山羊を飼っていたからだ。

小学生にとって山羊という生き物がどれ程興味をそそるかは言うに及ばないだろう。
紙を食べさせてみたり、ばあちゃんちの畑から適当に食べそうな野菜を持って行って、
木でできた格子越しに山羊に与えたりした。

山羊の檻は庭にあって、喜一の家から20メートルぐらい離れていた。
物陰に隠れながら、こっそり山羊と触れ合う。
喜一に見つかるかもしれない、というスリルでまた楽しさが増した。
そしてその秋、俺達にとって一生のトラウマとなる事件が起こった。

また今回も、「山羊のところにいくぞ」と兄が言い、俺も賛同した。
両親や親戚には、裏山に行くと言い、コテツを連れて家を出た。
家を出て坂を下り、一度平坦な道に出てしばらく歩いた先で、また段々畑の脇道を上る。
秋でトンボが多くて、道の途中で振り返ると、黄金色の水田が段になって続いていて、美しい風景が広がっていた。

突然、コテツが吠えだし、もの凄い力でリードを振り払って駆け出した。

やばい!

道の真っ直ぐ先は喜一の家だ。
俺達は焦って、猛ダッシュでコテツを追いかけた。

息を切らしながら、俺達は喜一の家の手前まで来た。
すぐ先でコテツが、けたたましい鳴き声で吠えている。
コテツが吠えている先の物を目にしたとき、俺達は戦慄した。
真っ赤な血に溢れた金ダライ。
その横に山羊の頭が転がっていた。
叔父も亡くなった祖父も猟師だったので、俺達はそれを見て喜一が何をしたのか理解した。

喜一は山羊を喰ったんだ。

でも今はそれどころじゃない!
早く逃げないとやばい!!
コテツが吠えているので、喜一が出てくるのも時間の問題だと思った。
兄がリードを掴み、しっかりと手に巻きつけて俺達は一目散に坂を駆け下りた。
少し離れた所で喜一が追いかけてきていないことを確認すると、兄が言った。

「山羊の頭、ひとつだけだったよな?」

…確かに、転がっていた頭はひとつだけだった。

「うん」

「もう一匹は逃げたのかな。助けに行こう」

兄が何故そういう考えに行き着いて、そして何故自分がそれを了承したのかも、今となっては思い出せないが、あわよくば山羊を貰ってしまおうという考えがあったのかもしれない。
喜一の家とばあちゃんの家の間にある隠居さんの所にコテツを預けて、俺達はまた喜一の家の坂を上りだした。
夕暮れで、日は既に落ちかけていた。

喜一の家に辿り着くと、さっきの頭と金ダライが消えていた。
それでも、まだ乾いていない血の跡が地面を濡らしていた。
俺達は気付かれないように周囲に注意しながら、喜一の家の裏に回った。

最初に来たときにすれ違わなかったから、山羊はきっと、逃げたなら裏山に入るはず。
そう考えたからだ。
迷っても南に行けば、ばあちゃんちの裏山に繋がるはず。
傾斜の方向の左手に行けばなんとかなるだろう、と適当な事を考えながら、俺達も山に入った。

山に入るとすぐ、きちんと舗装された道に出た。
ばあちゃんちの方にはこんな道ないよね!?と新たな発見に興奮しながら俺達はその道を辿った。

ふいに、兄が小声で隠れろ!と俺の体を掴んで、道の脇の木の陰に潜ませた。

「喜一だ」

道のだいぶ先を、こちらに背を向けて喜一が歩いていた。
何やら叫んでいるようだったが、何を言っているのかは分からなかった。
ここに来て、俺は急に怖くなった。
もう辺りは薄暗く、さらに知らない道だ。
何よりも、あんなに可愛かった山羊を喰った喜一が、とても怖かった。

喜一は狂ってる。

真っ赤な顔。
戦時中の軍人がかけていたような丸眼鏡。
常に緩んで、よだれが垂れかけている口元。

「お兄ちゃん、もう帰ろう?」

後で馬鹿にされると思いながらも、必死で訴えた。

「じゃあ帰れば?俺はアイツを尾行する」

本当に一人でも帰りたかったが、兄を一人で行かせるわけにもいかず、俺は半泣きになりながらも、兄と喜一の後を追った。

道を進んだ先に、上に有刺鉄線の付いたフェンスと、開きっぱなしの南京錠のついた金網のドアがあった。
どうやら喜一はこの先に進んだらしい。
兄が先行して、俺はそれについて行った。
坂を上がると開けた土地に出た。

本当に驚いた。
そこには少し大きい古い木造の建物があった。

それを見つけた時点で、もう、どうしようもなかった。
怖くて、兄の手を掴んで必死でもと来た道へと駆け出そうと振り返った。
その時、建物のある背後から、怒鳴り声が聞こえた。

「あぁ゛殺しっちめ●△*」

殺し~の部分は確かに聞き取れたので覚えている。
振り返ると喜一が薄暗い影の中から追いかけてきていた。

俺達は、無我夢中で来た道を走った。
喜一は年寄りだったから早く走れなかったのだろう。
声と気配はすぐに消えた。
さっきのフェンスの所を通り過ぎた時、兄が立ち止まってドアを閉め、南京錠で鍵をした。

喜一がそこから出るには、かなり回りこんでフェンスの途切れるところまで行くか、鍵を持っていればそれを使って、金網の隙間から錠を開けなければならない。
いずれにせよ時間稼ぎにはなっただろう。
俺達はそのまま、山を降り、喜一の家の庭を突っ切って来た道を戻った。

もう、辺りは真っ暗だったが、途中で隠居さんの家に寄り、そこで電話を借りて足を捻ったということにして両親に車で迎えに来てもらった。
両親は帰りが遅くなった事について特に何も言わなかったが、俺達も喜一のところに行ったことと山羊のことは黙っていようと口裏を合わせていた。
ただ、あの建物のことはどうしても気になっていた。

次の日、喜一が死んでいるのが見つかった。
酔って道路で寝ていた所を早朝に石切場に向かっていた大型トラックに轢かれたということだった。
あんな事のあった次の日に喜一が死んだという事で、俺達は怖くなった。
そして、事の顛末をばあちゃんに話した。
叱られると思ったが、ばあちゃんは悲しそうな顔をして色々教えてくれた。

・喜一が山羊を喰うのは昔からで、金がなくなると一頭ずつ喰っていた。
・昔は沢山いたが、前にいた二頭がもう最後だった。
その二頭には出て行った娘二人の名前をつけて可愛がっていた。
・あの建物は、昔の校舎(分校)。
母の10才上の姉の代に廃校となったが、取り壊す理由も無く、そのままになっていた。
喜一はその土地と建物の管理者だった。
・分校が廃校になって、そこを喜一が出入りするようになってから彼がおかしくなった。
(昔は温厚で誠実な人柄だったらしい。)

あの建物に何があるかはわからないが、もう二度と近づきたくないと思った。
というより、あれ以来俺も兄もばあちゃんちには行っていない。

そして先日、喜一の奥さんである老婆が数年前に亡くなっていたことを聞いた。
亡くなった場所がどうやらあの廃校とのこと。
あの場所の管理を彼女が引き継いだのだろうが、管理とは一体何をしていたのか。
秋の夜の匂いを感じると今でも鮮明にあの時の事を思い出す。

霊感が無い俺には何も感じることができなかったが、きっとあの建物には何かがあるんだろう。
あの校舎は今でもあの場所に立ち続けているのだろうか。


今は亡くなった父方のじいさんから聞いた話。

じいさんは子供の頃から、花見が大好きで、庭の桜が咲くのを楽しみにしていた。
桜が咲くとお母さん(俺の曾祖母)が団子を作ってくれて、家族で花見をするんだ。
けど、当時だからお団子は御馳走で、それも楽しみだったって。

じいさんが8歳くらいの頃、曾祖父が桜の木を切って、柿の木を植えようとした事があったのだが、じいさんがとてつもなくわんわん泣いて止めるから、じゃあ、切らずにこのままにしようと言う事になったらしい。

昭和18年の2月、じいさん24歳の時、じいさんは、あと2カ月もすれば桜が咲くと、凄く楽しみにしていたのだが、赤紙が来て出征しなければいけなくなった。
奥さん(俺のばあさんね)にも桜が見れんのは残念だなあってしきりに言ってたんだ。

それが、出征の日。
家から出たら、じいさんは仰天した。
2月にも関わらず、桜の花がホンの5、6個だけど咲いていたのね。

「俺のために桜が咲いてくれた」

そう言って、じいさんは涙を流した。
後にも先にもじいさんが泣いたのはこの時だけだったから、ばあさんは凄く驚いたらしい。

そんな事があったから、戦争が終わってからも、じいさんは桜を大切にした。
もうひとつ驚いた事に、じいさんが亡くなってから2年後、桜は後を追うように枯死したって事。

今、庭には、枯れた桜から接ぎ木した、二代目の桜が毎年花を咲かせている。

ビルの隙間
これから書く話は去年体験した事です。

去年の夏休みの事。
夜中にコンビニへ行き、いつも通る道をいつも通り歩いていると、ビルとビルの間に1mちょっとくらいの隙間があるのを発見した。
俺は

「こんな所に隙間あったっけ?」

と思ったが、特に気にせず通り過ぎようとしたとき、後ろから早足に歩くカッカッカッというハイヒールの音が聞こえてきた。
かなり急いでいるような足音だったため、俺は歩きながら歩道の端のほうに寄り、

「早く追い越してくれよ」

と思っていると、すぐ後ろまで来た時に急に足音がビタッと止んだ。
途中に曲がり角なんてないし民家も無い場所なのにおかしいな?と思って後ろを何となく振り向くと、20代半ばくらいの女の人がさっきの隙間を覗き込んでいた。
俺は不信に思ったが、

「まああの人も気になったんだろう」

と前を向き歩き出そうとしたとき、その女の人は何の躊躇も無くビルの間の隙間の中へと歩いていった。
突然の行動に俺は流石にその隙間に興味を持ち、

「近道でもあるのか?」

と思い、戻って隙間の中を覗いてみると、先は真っ暗で何も見えない。
ずーっと先のほうまで真っ暗闇が続いている。
それどころか、ついさっき入っていったはずの女の人の姿すら見えない。
少し気持ち悪く感じた俺は、

「まあ明日明るくなってからまた来てみれば良いか」

とその日はそのまま帰る事にした。

翌日。
友人と出かける約束をしていた俺は、ついでだからと駅へと向かう道すがらに昨日のビルの間の隙間を確認する事にした。
昨夜の記憶を頼りに探してみると、たしかに昨日と同じ場所に隙間があった。

「まだ待ち合わせまで時間あるし」

と思った俺は、ひとまずその隙間の中を覗いてみたのだが、おかしな事に2mくらい先にコンクリートの壁があり、
どう考えてもそれ以上先へはいけると思えない。

壁にドアでもあるのかと思って良く見てみたが、どう見てもそんなものはない。
俺は

「まあ他の場所なんだろう」

と、探すのを諦め友人との待ち合わせの場所へと向かう事にした。

その日の夜。
友人達とわかれ帰り道を歩いていると、道の先のほうに10歳くらいの子供が壁の方を向いて立っている。
時間は終電ギリギリだったため夜中の1時過ぎ。

「こんな時間に子供?」

と思ったが、どうせDQN親が連れ出しているんだろうとか考えながら歩いていると、その子供は壁の中へと歩いていった。
その時気が付いた

「あの場所って今日の昼間に見たすぐに行き止まりの隙間じゃないか?」

と。
急いで子供がいた場所まで駆け寄ると、やはり昼間に確認した場所だった。
そして、シャッターの閉まった両隣のビルとその辺りの雰囲気で、昨日女の人が入っていった場所も間違いなくここだ、と、直感的に感じた。
しかしおかしい、昼間確認した時、あの隙間はすぐに行き止まりだったはずだ。
他に通路など無いし、どうなってるんだ?と疑問に思い、俺はその隙間を覗き込んでみた。

すると、やはりその先は真っ暗で何も見えない。
流石に中に入るのは不安だった俺は、近くにあった小石を隙間の方へと投げ込んでみた。
壁があるなら、見えなくとも小石が壁に当る音がするはずなのだから。

しかし、予想に反して小石が壁に当る音がしない。
それどころか地面に落ちて転がる音すらしない。
俺は少し気味が悪くなり、確認のためもう一度小石を投げ込もうと、小石を拾うために屈もうとした。
その時、俺は急に腕を掴まれた。

「えっ!?」

と思って顔をあげると、暗闇の中から手だけが伸び、俺の腕を掴んでいる。
俺はパニックになり

「うわああああああ」

と叫びながら腕を振り払おうとしたが、ありえないくらい強い力で握られて振りほどく事が出来ない。
そして腕はグイグイと俺を隙間の中へと引きずり込もうとしている。

俺は必死で引き釣り込もうとする手に抵抗し、片方の足をビルの壁に引っ掛けてふんばり抵抗していたが、相手の力があまりに強く、ジワジワと中のほうへと引っ張られていく。
その時、ふと反対側のビルを見ると近くにところに鉄製?の看板があるのが見えた。
俺は無我夢中でその看板を掴むと、そのまま力いっぱい看板を俺を引きずり込もうとしている腕へと縦に振り下ろした。

それで腕は離れるかと思われたが、実際には予想外の事が起きた。
看板は薄い板だったせいもあるが、看板が当った腕はそこからキレイにスパっと切れてしまった。

そして、俺は急に引っ張る力がなくなったためそのまま道路の反対側まで転げていった。
しかし腕から切り離されたにも関わらず、手の方がまだ強い力で俺の腕を握っている。
俺は半狂乱になりながら、近くにあった街灯に俺を掴んでいる手を何度も何度も叩きつけた。

自分の腕も痛いが、このままにしておけるわけもなく背に腹は変えられない。
10回ほど叩きつけた頃だろうか、メキッという骨の折れるような音がして、
手は俺の腕から離れ地面に落ちた。
俺はそのまま一切後ろを振り返らず、全速力でその場から逃げた。

後になって冷静に考えてみると、ふとおかしな事に気が付いた。
切り離された手を俺はあの場にそのまま放置したはずなのだが、
人の手が落ちていたと騒ぎになった様子がまるでない。
それと、腕は明らかに切れていたのだが、一切血が出ていなかった。

その後俺は夜中にあの道を通っていない。
昼間ならまだ良いが、もう夜中にあの道を通る勇気は無い。
結局、あの隙間はなんだったのか、女の人と子供は何だったのか、まるで何もわからない。

何も謎の解けていない話ですみません。
しかし、これが去年俺が実体験した出来事の全てです。

注連縄
俺の田舎の祭りに関する話を投下します。
俺は神戸に住んでいるんだけど、子供の頃、オヤジの実家である島根の漁師町へ良く遊びに行ってた。

9歳の時の夏休みも、親父の実家で過ごした。
そこで友達になったAと毎日遊びまくってて、毎日が凄く楽しかったね。
ある日、Aが神社に行こうって言いだしたのね。
しかも、神社の社殿の中に入ってみようぜって。

この神社についてまず説明させて下さい。
神社は山の上に立ってて、境内にまず鳥居がある。
山から麓までは階段が続いていて、麓にも鳥居。
それから、鳥居からまっすぐ海に向かうとすぐに浜に出るのだが、浜辺にも鳥居が立ってるの。
つまり境内から海まで参道がまっすぐ続く構造。
ちなみに神明社。

話を戻すと、俺はAについていって麓の鳥居の前まで来たんだけど、神様の罰が怖かったのと、なんだか妙な胸騒ぎと言うか、嫌な感じがしていたから行かないって言った。

Aにはこの弱虫とかさんざん言われて、癪だから随分迷ったんだけど、結局俺は行かなかったのね。
それで、20分ほど待ってたら、Aは戻ってきて

「つまんなかった。社の中にはなんもない、鏡があるだけ」

と言っていた。
なんだ、そんな物かと俺は、ほっとした。
次の日には、Aから弱虫呼ばわりされたのもケロリと忘れて、Aとやっぱり遊びまくってた。
楽しい夏休みもいずれ終わる。
家に帰る時、Aは見送ってくれて、再来を約束した。

A「またな、来年も絶対来いよ」

俺「おう。約束する」

で、次の年の夏休みも島根に来たんだけど、俺は御馳走されたスイカを食べながら、

俺「明日は、Aと遊びたい」

と言ったら、ばあさんと叔父さんの顔が急に曇ったのよ(ちなみにじいさんはずっと前に亡くなってます)

叔父「あのなあ、お前はA君と仲良かったから黙ってたんだけど、実はA君は死んだんだ」

俺「えっ」

叔父「夏休みが終わって、三日程してかな、海でおぼれちまって……」

もう俺はショックだった。
昨年の事を思い出して、もしかしたら神社の罰かもと思ったけど、まさか社殿に入っただけで神様が祟り殺すはずはないよなーと思い直した。

それから、話が飛んで、俺が大学生の頃、オヤジが亡くなりました。
オヤジが亡くなった年の12月初旬に叔父さんから電話があって、大晦日から元旦にかけて行う、オヤジの地元の祭りに参加しろとのことだった。

俺「おっちゃん、俺、神戸なんだけど。交通費もかかるし、参加しなくてもいいでしょ」

叔父「馬鹿、お前、兄貴が亡くなったから、お前が本家の当主だぞ。○○(俺の名字)の本家が祭りにでないなんて、絶対に駄目だ。兄貴も毎年参加して、元旦に神戸へUターンしてただろ」

俺「おかげでお袋は、その祭り、本当に参加しなきゃいけないの!って毎年ぷりぷりしてだけどね」

叔父「ああ、言い訳は良いから」

と言われて、しぶしぶ祭りに参加させれる事になっちまった。
当日、大晦日の20時に付くと、叔父さんがイライラして待っていた。

叔父「おせーぞ。19時には着くって言っただろ」

俺「ごめんごめん、松江で鯛飯食ってたらから、でも祭りは21時からだから、十分間に合うでしょ」

叔父「馬鹿、潔斎する時間を考えろ」

俺は潔斎と言われて驚いた、そんなに本格的な神事なのか? 
俺は慌ただしく、風呂場で潔斎して、オヤジのお古の家紋入り羽織袴を着せられ、祭りの会場の浜まで走って向かった。

浜には、やはり羽織袴の人達がいっぱいいる。
この祭りは女人禁制どころか、各々の家の家長しか参加が認められいないものらしい。
時間が来たら、神主さんが海に向かって祝詞を唱えて神様をお迎えする。
後は参道を通って、境内まで神主さんを先頭に、松明に照らされてぞろぞろと行列。
神様を社殿に鎮座させた後は、能や神楽等が催されて、一晩中、飲めや踊れやの大騒ぎで一晩過ごす。
飲みまくるのは神人共食神事?って奴かな。

酒飲んで良い気分になってふらふらしてきた頃、社殿をぼーと見てたら、なんだかおかしい事に気付いた。
注連縄なんだけど、左が本、右が末になってる。
つまり、逆に付けられてんだよね。
なんだこりゃ、と思いつつも酔ってたから、余り深く考えなかった。

次の日、なんとなく気になって、叔父に注連縄の事を尋ねてみた。

俺「ねえ、神社だけどさ、注連縄逆じゃない」

叔父「なに、お前、そんな事も知らずに祭りに参加してたのか」

俺「だって、オヤジも教えてくれる前に死んじゃったし、おっちゃんも教えてくれてないでしょ」

叔父「そうか……、すまんな、じゃあ、きちんと説明しておくか」

俺「頼むよ」

叔父「あの神社なあ、神明社で天照大御神を祭ってある事になってるけど、実は違う。ご祭神はもっと恐ろしい物だ」

俺「えっ、そうなの」

叔父「明治時代に、各地の神社の神様が調査されたんだけど、役人がこの土地に来た時、単に土地の者は、神様って呼んでただけで、神様の名前は知らなかった。何しろ昔の人間は神様の名前なんて、恐れ多くて知ろうともしなかったし、興味もなかった。それで、役人が適当に神明社ってことにしたらしい。こうやって、各地の無名の神様が記紀神話の神様と結びつけられてったんだな」

俺「じゃあ、何の神様か解んないんだ」

叔父「いや、名前が解らんだけで、どんな神様かは解る。お前、御霊信仰って知ってるか」

俺「知ってる。祟り神とか、怨霊をお祀りして鎮めることで、良い神様に転換して御利益を得るやつでしょ。上御霊神社とか天神様とか。……まさか」

叔父「そうだよ。海は異海と繋がってるって言われるだろ、だから、良くない物が時々海からやってきてしまう。特にここら辺は地形のせいか、潮のせいか、海からやってきた悪霊とか悪い神様が、あの浜には溜まりやすいらしいな。それが沢山溜ると、漁に出た船が沈んだり、町に溢れて禍をもたらしたりする。だから、溜る前にこっちから、神様をお迎えして神社に祭る。それが祭りの意味だよ」

叔父さんは続けて語った。

叔父「だから、注連縄はあれであってる」

俺「えっ、どういう事」

叔父「注連縄って、穢れた人間が神域に這入ってこれない様に、つまり外から内に入れない様張り巡らすもんだろ」

俺「そうだね」

叔父「あの注連縄は逆。内から外に出れない様に張り巡らされてる。つまり神様が外に出れないように閉じ込めてんだよ」

俺は昔を思い出してぞっとしたね。
昔、Aが社殿に入り込むと言う事がどれだけ無謀で危険な行為か理解できた。
Aはむざむざ外に出れないように閉じ込められている悪霊、悪神の巣に入って行った訳だ。
もし俺があの時、Aの話を断れずについて言ってたらと思うと……。
背筋が凍りついて、気が付くと手に汗でじっとりと濡れていた。

長文スマン。
最後まで読んでくれて サンコス。
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