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電車枕草子




【電車枕草子】

電車枕草子。
作者不詳。


春はうとうと。
ゆれる車体をゆりかごと思って、ここちよき夢路をたどるころ、はや駅に着きたるこそ、うらめしけれ。

夏はびしょびしょ。
暑きことさながらトルコぶろのごとくにて、生み立て卵などしこたま持ち込みたるかつぎ屋、降りるころにはゆで卵となりて、ドヒャーと驚く、その顔こそおもしろけれ。
洗いたてのワイシャツにたちまち黄色い地図などでき、洗濯代のいたずらにかさむこそ憎けれ。

秋はむにゃむにゃ。
隣せし乙女の読む週刊誌など盗み読み、おもしろさに誘われてつい「ちょ、ちょっと、めくるのは待って下さいよあと二行なんですから」と抗議したるがそもそものきっかけにて電車を降りてお茶を、その翌日にはデートを、三日目にはプロポーズを、四日目には“タカサゴヤー”を、五日目には“三行り半”を…となりたるこそ、いと楽しけれ。

冬はぶるぶる。
ことさらに満員電車を選び、押し合いへし合いしてやっと身のあたたまるこそうれしけれ。
おかげでワイシャツにつきたる口紅が、いざこざのタネとなり、すりこぎをかざしたる女房に追いかけられるこそ、おっかなけれ。
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