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HOME>100のお題その1

031:大罪


傲慢 嫉妬 憤怒 怠惰 強欲 暴食 色欲…

大罪と言ったら『7つの大罪』を連想してしまう者が大多数だろう。
これらはキリスト教の用語で、七つの罪源とも呼ぶ。
「罪」そのものというより、人間を罪に導く可能性があると(伝統的にキリスト教徒により)みなされてきた欲望や感情のことを指すのである。

仏法では『業(ごう)』という言葉で表される。
業にはいくつか種類がある。
主に3つ。

1:身業(しんごう)-身体の上に現る総ての動作・所作のこと。
悪業では偸盗・邪淫・殺生(ちゅうとう・じゃいん・せっしょう)など。

2:口業(くごう)-語業ともいう。
口の作業、すなわち言語をいう。
悪業では妄語・両舌・悪口・綺語(もうご・りょうぜつ=二枚舌・あっく・きご=飾った言葉)など。

3:意業(いごう)-意識・心のはたらきで起こすこと。
悪業では貪欲・瞋恚・邪見(とんよく・しんい・じゃけん)など。

では罪とは一体何なのだろうか?
突き詰めていけばいく程分からなくなっていく。
結論は仏教の基本的な考え方にある。

釈迦が、
「人間は生まれによって尊いのでも賤しいのでもない。その人の行為によって尊くも賤しくもなる」
というのも、この業説の上に成り立っているのである。

031:大罪

どうか俺の名前を呼ばないで下さい。
どうか俺に触れないで下さい。
どうか俺を見つめないで下さい。
どうか俺を愛さないで下さい。

俺はあなたに愛される資格など持ち合わせておりません。
だから、どうか。

「何故、そう思うのだ?」

黒い特攻服姿の奇妙な男は問うた。

「俺は大きな罪を犯しました」

白衣の男は特攻服姿の奇妙な男に答えた。
2人の男。
白と、黒。
黒の男が白の男に問うた。

「罪、とは?」

「俺は大きな罪を犯しました。 殺人です」

白の男が黒の男に答えた。

「一体誰を殺したのだね?」

「沢山。 数え切れないほどの人を」

「何故? どうやって」

「俺は医者でした。 沢山の命を救う、医者。 だけど、俺は患者を殺した」

白衣の男は訥々と語り出す。

「もう助からないと思ったから。 だから安楽死させた。 沢山、沢山…」

ある日医者はある女性患者に出会った。
女性患者は白衣の男に恋した。
いつしか女性は白衣の男を愛した。

「だけど、その女性患者は死んだ。 俺がこの手で殺したんだ…!」

助からないと思ったから。
自らの手で安楽死させた。
だが、皮肉な事に。
その女性が死んでから、その病気の特効薬が開発された。

「俺は事故死に見せかけて患者を殺したという罪で死刑になった」

「そして私に会った…という訳ですね」

黒い特攻服姿の奇妙な男は呟いた。

「改めまして、どうもこんにちは。 私は…」

黒い特攻服姿の男は誰よりも優しく微笑んで言う。

「私の名前は『Navy(ネイビー)』。 私を定義するものは何もないが、人間の言葉で言うところの死神…という奴です」

END.
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