FC2ブログ

HOME>100のお題その1

033:満月

満月の夜に血が騒ぐのは何故なんだろう。

033:満月

【満月】
月と太陽の黄経差が180度となること、あるいはその瞬間。
これを望(ぼう)ともいう。
またこの時に見られる月の形をも指す。
これを望月(ぼうげつ・もちづき)、盈月(えいげつ)ともいう。


俺はコンビニまで行こうと靴を履いて外に出る。
たまの休みなのでビールでも飲もうかと思ったのだ。
外はいつもよりほんのりと明るい。
そういえばテレビかなんかで今日は満月だとか言ってた気がする。

「寒っみー…」

十分に防寒はしたつもりだが、やはり夜になると寒い。
12月だから、当然といえば当然だけど。
ふと空を見上げる。
まんまるとした満月がこの街を照らしている。
血が騒ぐのは何故なんだろう。
満月には不思議な力でも宿っているのだろうか。
空を見上げる俺に、誰かが声を掛けた。

「ねえ、あなた。 満月の夜に犯罪が増えるっていう話、知ってる?」

女子大生くらいだろうか?
俺に話し掛けてきたそいつは、初対面の俺に言い放つ。

「知らないね」

俺はなるべく関わりたくなかったので、コンビニに向かおうと足を速めた。

「満月には不思議な力があるとも、満月の夜には犯罪が増えるとも言われているわ。 それを証明するデータも存在している」

その女性は俺についてくる。

「だから、何だってんだよ」

俺は更に早足で歩く。
なおも女性はついてきた。

「満月の夜には犯罪が増える。 その理由は狼男よ」

「はあ?」

「獣人とも言うわ。 一般的に『満月を見ると狼に変身する』と言われているわね」

何だこの電波女は。
俺はシッシと手で彼女を追い払う。

「だから何なんだってんだってさっきから言ってんだろ。 ついてくんな」

「あなたまだ分からないの?」

「生憎俺は学者じゃない。 他を当たってくれ」

女は咄嗟に俺の腕を掴んで引き寄せる。
黙って鏡を取り出し、俺に向かって突きつける。

「あなたの今の姿よ。 あなた、狼男だって自覚が無いの?」

「へ?」

鏡には半狼半人の奇妙な姿の俺が映っていた。

「まあ、そういう私も狼女なんだけどね」

隣には、半狼半人の奇妙な姿の女がいた。

「気をつけて。 来るわよ」

「来るって何…」

ズドーン!!
突然地面が抉れる。

「なああああ!?」

「よお、同類」

俺と狼女の目の前には、半狼半人の誰かがいた。

「あんた誰」

「狼男さ」

「いや、そういう意味じゃなくてね…」

「この世界には沢山の人狼がいる。 だけど、人狼は俺1人だけでいい」

どっがぁぁん!!

「ひいいいい!?」

「何やってるの!? こいつ倒すの手伝ってよ!!」

「え」

「でないとあんた、殺されるわよ!?」

どうやら、俺は。
満月の夜に。
とんでもない騒動に巻き込まれてしまったようだ。


END.
スポンサーサイト

この記事のトラックバックURL

http://paradox07.blog68.fc2.com/tb.php/78-a3cc81d2

コメント

コメントする

管理者にだけ表示を許可する

  Template Designed by めもらんだむ RSS

special thanks: Sky Ruins, web*citronDW99 : aqua_3cpl Customized Version】